『夏の食事 (ポイントや工夫)』
スポーツ選手にとって、適切な栄養摂取は強くなるためにとても大事な要素です。
その大切な栄養は食事から摂取することが主となります。
夏は汗で失われるミネラルを多めに摂取するなどの特色はありますが、
基本的にはこの季節だからこの栄養を、この食事をという事はなく、一年中大きな変化はありません。
しかし、夏になると食欲が低下し栄養摂取のバランスが悪くなりがちです。
いかにしっかりとした食事を摂るかという工夫が必要となります。
今回は私が選手にアドバイスしている栄養補給のポイントを3つ紹介します。
1.冷たい食事
夏になると熱い食事、とくに熱々なご飯を避けたくなってしまいますね。
そうすると、スポーツ選手にエネルギー源として必要な炭水化物が不足してしまいます。
逆に冷たく摂取できる炭水化物は、食が進みやすいのではないかと思います。
その代表としてうどんやそば等の麺類がありますが、特にお勧めなのは『そうめん』です。そうめんは茹でたあとも保存が可能です。
水をしっかりと切ったあとに一食分ごとに保存用の袋や容器に保存すれば、冷蔵で2〜3日、冷凍で数週間は保存が可能です。
食べる時にサッと茹でるだけなので、大学生など一人暮らしの選手にはとても便利ですよ。
その他の栄養素も、冷しゃぶや冷やっこ、ヨーグルト、フルーツ、チーズなど冷たく摂取できるものを積極的に利用しましょう。
ただし、冷たい物ばかり摂取するのも内臓に負担がかかるので、食欲が無い時などに留めておきましょう。
2.おにぎり
これは夏のみの工夫ではなく、体重が増えない、筋肉が増えないと悩んでいる選手に一年中勧めている方法です。
ある実験で、「お茶碗で何杯おかわりできるか、そしてお茶碗と同じ量のご飯で握ったおにぎりを何個食べられるか」という実験を行いました。
数十人がそれぞれ両方の食べ方を行ったのですが、ほぼ全員が
『お茶碗で食べるより、おにぎりで食べた方が沢山食べることができた』
という結果がでました。
例) お茶碗で4杯が限界 → おにぎりだと6個(お茶碗6杯分)食べられた。
このように、同じ量でもおにぎりにした方が多く食べられるので、食事の際はご飯をおにぎりにしたり、一度に食べられない場合には小分けにしてこまめに食べましょう。
ただし、持ち歩く際に夏季は食中毒のリスクがあるため保存に注意が必要です。
3.食べやすい物
夏になるとさっぱりとした物が食べたくなりますね。
そこで、料理にレモンや大根おろし、梅などを使用した料理や、スパイスや香辛料を利用した料理なども食欲をそそります。
タンパク質の確保として、茹でたササミやたまごを持ち歩いたり、
コンビニ等でサラダチキン等を購入したりしている選手も多いと思います。また、最近ではスナックタイプの高タンパクプロテインバーなどで手軽に摂取できるようになりました。
しかし、加工した料理やサラダチキンは冷蔵などの保存が必要であったり、プロテインバーは暑さで溶けてしまったり、暑くて甘いものを食べるのが辛いなど、夏季では条件が厳しくなります。
そこで、常温でも持ち運べて手軽に摂取できる商品として、
魚肉ソーセージやチーカマをお勧めします。
これらは食べやすいうえ、十分なたんぱく質が含まれています。
また、常温保存可能なパックタイプのプロテイン飲料もSAVASから販売されています。
これらを活用し、夏場でもパフォーマンスが落ちないよう食事の面もコントロールしてみてはいかがでしょうか!
⇒次回(8/25)『夏の水分補給』について