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【なにこの海のキレイさ】ひとりで屋久島に行ってきた。 その5

一般的に屋久島のイメージは縄文杉だと思う。ジブリ映画『もののけ姫』に登場した「シシ神の森」を思い浮かべる人も多いかもしれない。いずれにせよ、森だ。苔むした森。どこまでも続くような植物の重なり。

以前のエントリでも紹介した屋久島の全景を見れば、確かにその通り、「島全体が山」と言っても過言でないほど、山林が占める割合が大きい。

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(Google Mapより)

ご存知の通り屋久島というのは、世界的にも珍しい世界自然遺産に認定された島である。実際に世界自然遺産に認定されているのは全面積の約2割とはいえ、自然保護に対する意識の高さは島全体に及ぶものだ。

上記の画像を見ても、(島のほとんどを占める)山林に、集落らしきものは見当たらない。つまるところ屋久島の島民は、山林の中に住んでいないのだ。

じゃあ、どこに住んでいるのか。

沿岸部である。

屋久島沿岸ぐるりの旅

ということで3泊4日の3日目は、レンタカーを借りて島の沿岸部をグルっと一周することにした。縄文杉トレッキングでたっぷり「植物」とのコミュニケーションはとったので、次は「人間」とのコミュニケーションだ。

相棒は1日目に予約しておいたこいつ。

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一人旅だし、小さい車のほうが小回りもきくだろうし、コスト的にも安いしということで、迷わず軽自動車を選んだ。それにしてもナンバーはやっぱ鹿児島なんだな(屋久島は鹿児島県熊毛郡屋久島町)。

ということで、2日間お世話になった宿で朝ごはんを食べ、朝7時半すぎに出発!

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(やっと撮影できた民宿の飯。これは朝ごはん。普通にうまい)

快晴のなか出発!

「30日中35日雨が降る」と言われるくらい雨の多い屋久島。実際、昨日は縄文杉を見た帰りくらいから降り出して、夜遅くまで降り続いていた。飲みながらいろんな人に「明日もきっと雨だぜ」というようなことを言われてたので、覚悟してたんだけど…

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めっちゃいい天気じゃん。テンション上がる。

宿を出て、ほとんどノープランの状態で海沿いに向かう。ほぼ円形の屋久島。沿岸部を走る国道は一周ぐるっとつながっているので、時計回りで行くか反時計回りで行くかだけ決めれば、もうあとは迷うこともない。

縄文杉トレッキングでお世話になったガイドのSさんほか、いろんな人に「反時計回りのがいいよ」とアドバイスされていたので、ここはそれに従うことに。

宮之浦近くから国道に入り、左折=反時計回りのルートに入る。

右手には常に海。

普段運転する時は窓閉めきって爆音で音楽を聞くタイプだけど、今日は当然のように窓を全開にして、何なら腕とか外に出しちゃいながら走る走る。

GW前のド平日ということもあって、自分以外に車もほとんど走っていない。

窓から吹き込んでくる海風が気持ちいい。もうこの時点で最高。

①志戸子ガジュマル公園

やがて青看板に、志戸子ガジュマル公園という名前が。

どんなところかもよくわからないまま、案内に沿って走っていく。国道よりさらに海に近い場所に、それはあった。

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正直言ってあんまり期待感はないまま入ったんだけど、これが結果的に大当たり。ガジュマルという木の面白さ、したたかさ、奇妙さ、そして健気さのようなものをガシガシ感じる、非常によい場所でした。

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中でも感動したのが、「気根(きこん)」というやつ。枝から垂れ落ちている細い根の集合体みたいなやつをそう呼ぶらしいのだけど、絡み合いながら地上を目指して落ちていき、地面に到達した時点で一気にブワッと展開するらしい(ここのおばちゃんが丁寧に教えてくれた)。

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(気根。ビジュアルも非常に好み)

で、この「気根」、その性質や見た目の印象などから、いま書いている小説のタイトルにピッタリだなと思った。もともとつけていた仮題がしっくりきてなくて、ちゃんとしたタイトルに変更しなきゃなとずっと思ってた。それがもうドンピシャ。『気根』。これしかない。

ということで、たまたま寄ったここで、小説のタイトルをゲットした。偶然の出会い? いや、必然の出会い。

②一湊海岸

ガジュマル公園を出て、島北部に向かっていく。景色はずっと素晴らしい。こんなダイナミックな山と海がずっと見えている。

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だが、やがて見えてきた風景に驚いた。思わず車を停めて、海に近づく。

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なにこれ、海外?

そう思うくらいにキレイな海。ちょっと調べてみたら、このあたりは一湊海岸といって、夏場は海水浴場になるらしい。ちなみに場所で言うと島の真北あたりだ。

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で、実はこの一湊海岸のあたりに、一つ目的地があった。それは昨日行ったスナックのお姉さんが教えてくれたレストランだ。何か魚の乾物を使ったパスタがとても美味しいらしい。

まだランチタイムには早かったが、聞いていた住所を頼りに向かってみた。

③キヨコンネガイ、その前に

そのレストランの名は、キヨコンネガイという。聞いた話では、書道家としても活動する女性オーナーがやっているんだとか。時間はまだ10時過ぎ。OPEN前だろうことを見越して、とりあえず近くに車を止めて店に向かってみると、ちょうど店の方らしき女性が外で準備をしていた。

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「あの〜」おずおず声をかける自分。昨日スナックで聞いてここに来た旨を伝えると、その感じの良い女性は「あ、自分がオーナーです」と笑顔で応えてくれる。

「でもごめんなさい、ランチは11時からなんですよね。そうだ、この辺の観光ってもうしました?」

「あ、いや、さっき着いたばかりで」

「じゃあ、オススメの場所があるんで」

そう言ってある場所を教えてくれた。それは、さっき通ってきた一湊海岸近くの神社だったのだが、話を聞いていてピンと来た。

「あ、それってもしかして、海岸から遠くに見える鳥居のとこですか?」

「そうそう! 見ました?」

「見ました見ました! あそこまで車で行けるんですか?」

「近くまでは車で行って、そこから歩きで降りていくんです」

うわーマジかと思った。写真こそ取り忘れたが、あの美しい海岸から遠くに見えた鳥居は、なんだか神秘的でちょっとおっかなくて、興味津々だったのだ。そしてキヨコンネガイのオーナーさんは最後に奇妙なことを言った。

「鳥居の裏に、一つ建物があるんですけど」

「建物」

「そう。ぜひ、その建物の脇を通って裏側まで行ってみてください」

④矢筈嶽神社

車に戻って、教えてもらった道を行く。場所でいうとこんな感じ。

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さっき通った一層海岸の少し宮之浦側から、細い道を通って半島のような場所に入っていく。道路は狭く、少し荒れていて、しかもアップダウンが激しい。すれ違う車もまったくおらず、少し心配になってくる。

だが、やがて駐車場が突然現れた。小さな鳥居と、案内看板。ちなみにこの鳥居は海岸側から見た鳥居とは別である。

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矢筈嶽神社。それがあの対岸から見た鳥居のある神社の名らしい。

ということで車を降り、案内に沿って崖のような場所を降りていく。

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(駐車場があるのは割と高い場所。ここから下に降りていく)

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降りきるともう海の目の前だ。鳥居まであと少し

ここからはムービーでお届け。

大量のフナムシにちょっとギョッとしましたが、なんのその。さっき対岸から見ていた場所に来れたということで、テンション上がります。

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到着。この鳥居の向こうにチラッと見えているのが、さっきキヨコンネガイのオーナーさんが言っていた「建物」だ。

その先には行ったのかって?

もちろん行った。

すごかった。

うん、すごかった。

でもあの感覚は多分、あそこに実際に行かないとわからないと思う。写真も撮ったんだけど、画像になった途端になんだか全然違うものになってしまったようで、どうしても公開する気にならない。

ということで、気になる人は行ってみてください。

⑤一湊灯台

「もし時間があれば、神社の奥に灯台もあるんで」

キヨコンネガイのオーナーさんにそう言われていたので、せっかくならと、灯台に向かう。地図でいうとここ。半島部の先端。

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ということで行ってきたんですが、なかなかのトレッキングでした笑。高所恐怖症の自分にはかなりスリルある道程。この怖さ、ムービーで伝わるかなあ。

ということで、屋久島ぐるりの旅、まだ4分の1くらいですが、一旦ここで切ります。続きをお楽しみに。

その6につづく
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