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平らな週末
小学生時代、日曜日の夜が嫌いでした。どんどんと月曜日に近づいていく、あの時間。正確に言えば、連休最終日の夜から登校日の朝にかけての、あの時間。
振り返れば、友達に恵まれた学校生活。出席日数はほぼ皆勤賞で、勉強もそこそこできて、体育の授業は特に好きでした。だけど、学校に行くのは、気乗りしなかった……。
毎週末、父方のおばあちゃんの家へ車で向かうのが習慣でした。だいたい1時間ほどの道を、わたしとお父さんと、お母さんとお兄ちゃんと妹のうち、2人から5人で。わたしは、お母さん、お兄ちゃん、妹がいるときも、いないときも、きまって助手席。大好きなシートベルトを締めて出かけるときは、心が踊ってました。
お父さんは、いろんな道を通ってくれました。山を越える道。川沿いを走る道。基幹道路を走る道。思い出すのは、色鮮やかな晴れの日ばかりで、青と白と緑のコントラストに陽の光が降り注いでいる車窓からの風景は、思わず顔がほころぶほどに、のどかでした。
帰路の暗い田んぼ道。街灯はほとんど無いので、車窓からもたくさんの星空がみえました。同じ1時間のはずなのに、とっても憂鬱な、あの時間。特に家に着く間際の最後の15分は、身体に力が入らなくなって、寝てしまうこともしばしば。たまに眠くなくても、寝たふりをして、父に家の中へ運んでもらうことも、しばしば。
大人になった最近は、おかげさまで仕事がそんなに苦ではなく (休みの日の方がだいぶ好きだけど)、小学生時代ほどには日曜日の夜が憂鬱ではありません。もしも20年前のわたしに会えるなら、「未来は楽しいよ」って、胸を張って伝えたい。
でも、待てよ?その分、金曜日の授業終わりの、あのとてつもない高揚感は、感じなくなっている。