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四川風肉豆腐


四川風肉豆腐ですが、嫁様の思い付きで肉豆腐に色々とブチ込んで豆板醤入れたそうです。


そんな事は心底どうでも良いとして、さあさあ皆さん大好き隔離病棟のお話です、肺結核の第3話なんです。


もうね、即日入院でしたよ、感染症予防法で指定されてるから異議も唱えられませんでしたよ、家にも帰れなくなりましたよ。

そして、やたら厳重に閉ざされた二重扉を開けて、ついに隔離病棟へと足を踏み入れたのです。

まあ、入院するための着替えとか最低限の装備は用意しておいたんで、あとは細かいものを嫁様に持ってきてもらうだけです。


でもって、とうとう最上階にある結核専用の病室に入る訳ですよ、あてがわれたのは6人部屋で出入口近くのベッドですよ、そんで荷物とかベッドの周りや机に配置とかする訳ですよ、ベッドに腰かけて携帯電話で取った家族の写真とか眺める訳ですよ。


そんで、しばらくしたら保健所の人だったか病院の人だったか忘れましたが、隔離生活の説明を受けたんです。

印象に残っているのは以下の通りでした。


・隔離病棟では結核の階から下に行っちゃダメ

・買う物あったら看護師さんに頼み自分で売店行っちゃダメ

・例外的に下へ行く時はN95装着しないとダメ

・そもそも隔離病棟から出ちゃダメ

・面会は中学生以下だとダメ

・面会に来たい人はN95を装着しないとダメ

・薬は必ず5種類を1日3回飲まなきゃダメ

・薬を飲んだら証拠のために殻を捨てちゃダメ

・5種類の薬は全部名前を暗記しなきゃダメ

・毎週1回、痰の検査して排菌してない事を3回連続でクリアしないと退院ダメ


これじゃあ何でもかんでもダメダメで私もダメおやじです。

もうね、いつ家に帰れるのか全く分からないんですよ、3週連続で勝ち抜かないと退院できないんです。

お笑いスター誕生か!銅賞か!!


これで2歳になったばかりの娘にも小学生の息子にも会えませんよ、どうしてくれるんですか。


そして私の排菌状態を説明してくれたのですが、10段階あるガフキー号数で中程度の5という事でした。

もうね、5ですよ5、結核戦隊ガフキーファイブですよ、ここでもスーパー戦隊ですよ、お先も真っ暗なマックロードでコマ送りも出来そうな松下電工ですよ、もう自分で何を言ってるのか分かりませんよ。


そんなこんなで説明も終わり入院生活の始まりとなりました、とりあえず嫁様だけ翌日には面会に来てくれました、身の回りの物を持ってきてくれました、やはり持つべきものは嫁様でした。


そして服薬も始まったのですが、これ凄い副作用があるんです。

流した涙がオレンジ色なんですよ、気分は血の涙ですよ。

ちょっと言ってる意味が分からないと思いますが冗談ではありません、本当にオレンジ色なんです、かき氷のオレンジシロップと同じ色なんです。


もうね、家族に会えないもんだから夜には枕を濡らすじゃないですか。

朝起きると枕カバーがオレンジになってるんです、オレンジ色のニクいヤツなんです、夕刊フジなんです。

これぞ天然素材の染め物ですよ、野生の染料ですよ、ナチュラルカラーですよ。


でもって、いよいよ伊代はまだ57だから初の排菌検査が来るじゃないですか、運命の一瞬じゃないですか、カーッペッ!のカトちゃんぺじゃないですか。

吐いた痰を提出して1日したら看護師さんが報告に来るんですよ、菌を培養した結果が来るんですよ、ドキドキのワクワクでスピーチを聞く訳ですよ。


そしたら開口一番「おめでとう、第1週勝ち抜きです!」


ほら、今回も入院生活が始まっただけで終わっちゃったじゃないですか、あたたたたのほわっちゃーじゃないですか、サブタイトルの「減圧」さえ出てないじゃないですか、次回予告に偽りがモハメド・アリじゃないですか、あと何回これ続けるんですか。


あ、そうだ。

私の結核が発覚した日って、いつだったのか調べてみたんです。

それが10月1日なんです。


これって、実は結核予防週間が終わった翌日なんですよ。

ウケる。




【 次回予告 】



嵐が吹かねば、太陽が輝かぬとするなら、大地を走る無謀な風邪となろう。

治療の果てにしか安らぎは来ないものなら、己の血のたぎりに身を任せよう。

それぞれの運命を担い結核患者たちが昂然と顔を上げる。


次回「重鎮」


放たれた矢は、標的を射るか。

地に落ちるか。



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