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豆腐ひじきハンバーグ
豆腐ひじきハンバーグですが、もういい加減に結核入院の第4話です。
これ本当に終わるんでしょうか、自分でも心配になってきました。
隔離生活も始まりましたが、私ってあまり他の患者さんと接触する事もなく過ごしていたんですね。
まあ、シャイなんで人と話す事が苦手なんです、ずっとベッドでカーテン閉めて寝ていたんです。
だから物凄くヒマなんです、何もする事がないんです。
入院前に処置室で隔離放置されていた時は、せいぜい1時間2時間の事なのでボケっとバカみたいに口開けていれば時は過ぎました。
しかし実際入院となると、そういう訳にもいきません。
24時間バカみたいに口を開けて寝ていたら、口ん中が乾燥したりハエが入ってきたりして大変じゃないですか。
とりあえずカード式のテレビ観るしかありません、でも飽きるんです。
そしたらですよ、ヒマだと嫁様に言ったら面会で差し入れを持ってきてくれたんです。
それがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1672143637420-xp9eY5WwtS.jpg)
連邦軍の試作モビルスーツRX-78-2、通称ガンダムです、ちなみに画像は当時の病室で記念撮影したものです。
1 / 144のHGですよ、親父にもぶたれた事ないのに!ですよ。
もうね、嫁様は流石としか言えません。
普通、入院の差し入れにガンプラ買ってきます?
30代後半の主婦がプラモ屋さんに行ってガンプラ買います?
それがうちの嫁様は買ってきちゃうんですよ。
有り難く頂いたのですが、スナップフィットで接着剤いらずの塗装いらずだから1日で完成してしまいました。
次回の差し入れはシャア専用ズゴックを所望したのは言うまでもありません、ウッディ大尉!無理です!!が再現できます、更に出来るようになったな!ガンダム!も再現できます。
そこでシャアズゴが完成したらΖガンダムをお願いしようかと思ったのですが、新たなヒマ潰し方法が浮かんだウガンダトラだったのです、カレーは飲み物なのです。
すなわち。
当時6歳の息子が辞書みたいにブ厚い攻略本を見てプレイしていたポケットモンスター・プラチナの横取りです。
しかし、それでは息子がポケモンで遊ぶ事が不可能になります。
そこで私が考えたのは私がポケモンをプレイし、息子に攻略本を読ませながら私を誘導させる事なのです。
もちろん誘導は携帯電話のメールを使用します。
結核の病室内では通話が禁止ですがメールの類いは黙認されているので、私の的確な判断にオレンジ色な刻の涙を見ました。
これ、私がヒマ潰しで息子のためにイーブイやレアポケモンをゲットしてストーリーを進め、息子は息子で辞書みたいなポケモン攻略本の読破で日本語を習得、私宛にメールしてハイテクのマスターと文章力を鍛えるなど一石三鳥なんですよ。
ほら、親は家に子供の友達を集めてポケモン接待とかするじゃないですか、そんときイーブイなんか交換すると子供達が喜ぶじゃないですか、私なんかブラックオニキス世代だからPRGなんてお手の物じゃないですか、イロイッカイヅツじゃないですか。
入院中、無事にギラティナもゲットして事なきを得ました。
そんな入院生活を送って数日、夜中に寝ていると妙な音がする事に気付いたんです。
プシューって。
寝てると何かの気配を感じて目が覚めるじゃないですか、するとプシューって聞こえるんですよ。
何だこれ?と思ったんですが、結核の病室って中の空気が外へと漏れないように減圧されているんですね。
だからドアを開けると外の空気が勢い良く入ってきてプシューという音が聞こえるんです。
病室内って個室以外はトイレなんか無いじゃないですか、普通は病室の外にあるじゃないですか。
プシューという音の正体は病人が夜中に起きてトイレへ行く音だったんです、結核キャリアーがトイレから帰って来た音だったんです。
ベッドが出入り口の近くですから、これがもう気になって気になって寝られなくなりましたよ、誰かがトイレ行く度にプシューですよ、病室に爺さん多いからトイレ近いんですよ。
私の入院生活って私を寝かさない気が満々なんです。
ほら、減圧を回収しただけで今回も終わっちゃったのほわっちゃー!じゃないですか。
どうしてくれるんですか、全然終わらないじゃないですか、登場人物も私と嫁様と病院の人とトイレの人だけじゃないですか、重鎮どこ行っちゃったんですか。
【 次回予告 】
テレビを観たのが幻想なのか。
カードの残りが幻想を生むのか。
闘病の果てに退院を見るのが幻想に過ぎないことは、病人の誰もが知っている。
だが、あの薬の殻が、涙のオレンジ色が幻だとしたら。
そんなはずはない。
ならば、この世の全ては幻想に過ぎぬ。
では、目の前にいるのは誰だ。
次回「屋上」
劇的なるものが牙をむく。
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