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抑うつ談義【File8】孤独と都会の話

”孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の『間』にあるのである”


哲学者の岸見一郎さんの言葉である。

「一人でいるか、大勢の人の中にいるか、という外的な条件は関係ない。他者との結びつきをどう捉えているかが問題で、孤独感から逃れるために誰かと一緒にいたがるような人は、かえって孤独になる」といった内容だ。


著書についての詳細は参考文献とリンクを貼っておくのでそちらから確認頂きたい。


では、現実どうだったか、という話を実体験ベースでお伝えする。

まさに、その通り都会にこそ孤独はあった。
そう感じた理由は3点あった。

1.人が多すぎる
街ですれ違う人の数は圧倒的に都会の方が多い。多分その数は地方都市でも都会に比べると100分の1以下だ。
都会で生きると、無意識に自分が有象無象の中の一人の人間である。と感じてしまう。


2.人との距離感を感じる

すれ違う人の数は一日に何千人であろうと、実際関わるのは数人程度ではないか。つまり目に入る殆どの人間が”自分とは無関係の赤の他人”なのである。


3.組織が大きいと個性を出しづらい

これは東京、というより大規模オフィス(本社機能)が東京に集中している事に由来する。皆、空気感に敏感になり個性を閉ざす。
ロボットのような、無個性集団と化してしまう。

1~3の事が、コミュニケーションの希薄化を加速させ、本音を語らない文化になってしまっているのではないだろうか。

東京の人、スマートで気が遣えて優しい所も実際ある。
しかし、日本経済の中心地としてあまりにも栄えてしまった事がかえって孤独を生み出してしまった。

私の考えはあくまで実体験ベースであり、地元に戻り解決したというのが結論であるが、岸見さんの著書は異なった角度での理解、アプローチ内容になっている。

参考文献 岸見一郎『数えないで生きる』(扶桑社新書)

孤独の捉え方は個人の考え方に依存するものとの前提で、人生を豊かに生きる為のヒントをくれている。
孤独に悩む方に新たな気づきを与えてくれるかも知れない。

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