雪の中

タイマーを鳴らし事件の幅を捉えていくこの世界におはようを告げ
悲しみの答えを探し出す日に出かける
事の始まりは雪の解に溶けた甘い菓子から
沁みだす紅茶の香り
生まれた悲鳴から浮き出す衝動は心を奪っていく
隅分かれた感情を心から磨り出しては減っていく
寂しさのあまりに嗜むお酒でさえも心の中
赤いロープを握りしめながら心の淵に辿り着く
ここのレストランには蒸気が充満している
青い身体のフェンスが蹈鞴を踏み荒廃としたタワーを蹴散らしていく
広い観衆の目に留まり古びれたサインを貰いながら器の骨を溶かしていく
金縛りのような眼に凄まじく映る憧憬の鐘
美しくも遠い呆れた星
くだらない会話に目をくれながら
寂しい思いをする今日この頃に朝日を浴びる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?