詩
『茨木のり子詩集』を読むアタシ
車内誰ひとりたってアタシをみない それで良い
ああこんなふうに 言葉織り出せたらな
ああこんなかぜに 乗れたなら
アタシは拙い 全てが拙い
『顔』読みながら 苦虫食べた顔をする
アタシの頭ん中からっぽで 貯金箱みたくからっぽで
ためしに振ってみたけれど 音 ひとつたたず
アタシの頭ん中空白で 答案用紙みたく空白で
赤いバツ印すら 見あたらず
はて はてはてはて
どうしたら どうしたらアタシは
「言葉で何かを刺しかがらんとする者」になれるのかと
思案し 思索し 決めたのだ
そのままを そのまま 吐き出すのだと
からっぽならからっぽ 空白なら空白を
言の葉として ヒラヒラまわせりゃ良いのだと
拙くて何が悪い!
これはアタシの詩なのだから
独りよがりの詩なのだから
涙 ポツポツ