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70代母と20代娘と40代夫婦で横浜~東京旅⑧(完結)


──このレポートは昨年秋の内容です。

   ランチする時間はある。お土産選びの最中に、よさげな距離にあったレストランを見つけておいた。

  妹と、妹の昼間の職場の上司が合流。何年か前に会ったことがあり、軽く挨拶をして店へ入る。大きな窓の明るい店だ。
  2人が主役のように、寸劇を披露してくる。
  上司「皆さんが今日帰るって事を、昨日聞いて…」
  妹「もっと前に話したから」
  上司「いや、聞いてない」

  妹の店に上司も顔を出すらしく、その事を妹が愚痴る。
   妹「他のお客さんに、でかい態度で振る舞うのやめてほしい」
  上司「酒がはいると、どうしても…(てへへ)」

  ここにいる人間にそのやり取りを見せて楽しいのか。何プレイなのだ。

   私「2人の関係は結局なんなの?」
  何かがふっきれてしまい、美味しくランチをいただきながら、ぶっ込む。
   2人は「上司と社員」としれっと答える。

  は、うっかり我慢ができず寸劇に参加してしまった。が、妹はすんとしている。これは地雷ではなかった…のか?

  食後のコーヒーを飲みながら(酒飲みは3人はビール)、皆で当たり障りのない会話を終了。
  「では、またねー」
と、解散し、2人の背中を見送る。なんだこれ。

  妹という嵐は去ったが、飛行機の出発時間が近づいてきた。早歩きで向かう。母が「タバコ吸いたい」と言っている。そうよね、吸いたいよね。しかし、タバコの為に遅れるわけにはいかない。AIRDOまで遠い~。

  気づくと母の足が止まっている。…?カバン屋さんを凝視しているようだ。
  私「どうしたの?」
  母「いやー別に」
  …動かない。店員さんが接客し始める。
  店員「こちらのバッグ、とても人気があってー」
  私「母、このカバン、ほしいの?」
  母「いやー、んー…」

  なんだこれパート2。
  カバンを見る。好みではないがかわいい。値札を見るとかわいくなかった。
  夫も長女も時間が迫っているから、足を止めない  


これ、貼って大丈夫かな?

 私 「母、行こう、飛行機の時間だから!」

  店員さんにサヨナラをして、小走りで去る。母の奇行に私は一気に不安になった。旅の間の会話に、不明瞭な事が多かった。耳が遠くなったせいで聞き取れなくて、噛み合わないのかと思っていたが、もしかして、認知機能低下してきている…?
  
  AIRDOの搭乗口に滑り込んだ。タバコはもちろん吸えなかった。ゼーゼーしながら乗り込む。そういえば、私は謎の息切れをしてたんだった…。
 バタバタして、母も様子がおかしくて、本州の陸地との別れを惜しむ事すら忘れていた。また、いつか何かの時は来るからねー!

  帰りの座席は母と私。長女と夫。母と恐る恐る会話をしてみようと思ったが、全然会話する雰囲気ではなく、塞ぎ込んでいるようだった。タバコ吸えなくて機嫌悪いのか、気圧の変化が体につらいのか、何もできることは見つからず。自分は本を読んで過ごす。

  機内サービスの期間限定ヨーグルッペ、美味しかった。

『北海道で名を馳せる「ヨーグルッペ」は、北海道日高町にある北海道日高乳業が販売している乳酸菌飲料。 実は北海道日高乳業は、宮崎県の「ヨーグルッペ」を生み出した南日本酪農協同のグループ会社』とのこと。コラボ企画だったようです。

  重い空気のまま、無事に新千歳空港に到着。帰りも父が母を、迎えに来てくれるので、安心だ。
  にこにこ顔で父が現れた。──は、私ったら父にお土産の一つも用意していなかった…。一緒に連れて行けない罪悪感を引きずらないために、気づかいまで消失させていたとは。自分に失望だ。
  
  そんな私と長女に、父がポケットからとり出した袋を渡してくる。
  父「長沼のハンバーガー、肉を使ってないんだって」
  私「ありがとう、大豆ミートかな?」

  まてまて、ポケットからハンバーガーだぞ。あっさり受け取ったけど、突っ込みが必要なとこやろ。お土産忘れた罪悪感も吹き飛んだ。父も奇行をかましてくる。(父は破天荒なので慣れてる)

  ──よし、これ以上カオスはいらない、解散だ。父母を見送り、夫と長女と私はJRで札幌へ向かう。

  電車の席は空いていて、3人で向かい合って座れた。写真をシェアして旅を振り返る。そして、母の話だ。夫と長女は、どう思っていたのかを聞いてみる。
  やはり2人とも驚いており、すこし不安を感じていたようだ。そこでなぜ、サマンサタバサで、動かなくなったのか、推測してみた。
  
  ①昨夜、私たちのお土産を見て、買わなかった事を
     悔しがって?いた。
  ②旅のために孫に借りたリュックが使いづらくて、        使うのをやめていた。
   ③自分の旅に物理的な収穫がなかった悔しさと、
     自分用の使いやすいカバンを持っていない事に
     気づいて、一目 惚れしたあのバッグを買おうか悩         んだ。
  ④勢いで買うには、金額的に躊躇してしまい、動け
     なかった。

  そんなところだろうか。旅の終わりにこんな話題になるとは思わなかった。謎は深まるが、また実家に顔を出して様子をみてみよう。
  妹の店を見に行けて、甥姪とご飯が食べられた。妹と揉めないで帰ってこられたし、おおむね良い旅になったと思う。

  現実から離れるために旅に出たら、新しい現実が迫ってきたようだが、そんな現実を悲観せず、面白がっていこう。辛くなる前に、次の旅の計画をたてよう。たとえ行けるかはわからなくても…。


 ※旅のレポートなのか、親族ネタ暴露なのか、ごちゃ混ぜになっていて、すみません。
自分でも、ここまで長くなるとは思わず、困惑しながら書いてしまいました。
後日談をあと1本出す予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました⭐️


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