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【心臓マッサージは誰でも出来る!】 倒れた家族を助ける一次救命処置(BLS)とは?

こんにちわ!

現役看護師のカズきちです!!


この記事は

こんな人に向けて書いてます!


・家族が倒れたらどうすれば助けられる?

・倒れた人を見たら、
 真っ先に飛び込める人になりたい

・どんな人に心臓マッサージが必要か知りたい


今回は,

誰にでも簡単にできることなのに、

周りに出来る人は少ない、


人間としてとても大事な技術である
「一次救命処置」の方法や適応に関する
ノウハウをまとめました。




僕が大学を辞めて看護師を目指した理由は

まさに 家族の心停止 に遭遇したからでした。


・高校生の時に起きた、突然の家族の心停止

↓  家でいきなり祖父の心臓が止まった時の話 ↓( https://note.com/rosk_your_life/n/nc2200be14164 )

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この時、

倒れたじいちゃんに何もできなかった悔しさ。


その場に出くわさなければ、

救命処置を学ぼうだなんて誰も思わない。


でも、


それじゃ遅いんです。


この記事を見ている方へ質問です。


「一次救命処置」って
そもそも何でしょうか?


「一次救命処置」とは・・・?


呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するため、特殊な器具や医薬品を用いずに行う救命処置であり、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法(CPR)、そしてAEDの使用を主な内容とする。                                               (引用元:wikipedia)

を行うことを言います。


さらに

心停止と死亡率の時間経過は

このようなデータが出ています。

スクリーンショット 2021-01-21 17.28.00


停止から1分経つたびに、
救命率は約10%も低下します。



僕は看護師になってから、

救命処置を教えるための国際ライセンスである

アメリカ心臓協会【AHA】認定の
一次救命処置インストラクターになりました。

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先程の心停止の記事にも書いてありますが、



以前に家族が倒れた時に、


「また一緒に過ごせるように、
最大限の行動を取れる人間」


になりたいと思いました。




そして看護師になってから

毎月病院で行われている救命コースに、

休日返上で参加しまくりました。


そして

1年半かけてこの資格を取得しました。


意外なことですが、

看護師だからといって、

全員が有効な胸骨圧迫【心臓マッサージ】が
出来る訳ではありません。


ベテランナースだとしても、

実は正しい深さ、速さで押せていない人も
たくさんいます。


しかしながら、
職場でも様々な医療従事者の方に
この一次救命処置を教えていますが、


倒れた人の命を救うことに
資格なんて要りません。


居合わせた”その人”

いかに心臓を押せるか、なんです。


実際に小学生が心臓マッサージをして、

夜間に息が止まっていた父親を救ったと言う話があるくらいです。


・心肺蘇生を
 できるようになってほしい理由


先日こんなことがありました

普段から仲良くしている友人A君に、

ふとこんな質問をしました。


ワシ:「ねえ。
    よく二人でパソコンいじってるけどさ、

    いきなり俺がいま倒れたら、
    助ける自信ある?(笑)」


いきなりの質問に、

A君は手が止まっていました 汗

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そんなA君に僕はシンプルに、

ワシ:「とりあえず、
    胸をしっかり押してくれたらええよ」


と伝え、
そこから5分で口頭で教えました。


でも振り返ると、
もしこの流れがなくて、
俺がいきなりぶっ倒れてたら?


彼は救急車は呼べたかもしれない。


けど、
俺を救うことはできるだろうか?


いつも楽しくいろんな未来を話して
当たり前のように明日が来る。


でも僕は職業柄、

明日なんて当たり前に来るなんて

一回も思ったことがないです。


人生で1回経験するかどうか、な

命の瀬戸際に突然立たされた患者さん達を

毎日見ています。


だからこそ、

「知らなかったから」と言う理由で行動できず、


救えたはずの命に後悔するような人生

僕の周りの人には送ってほしくないんです。


心停止してしまった患者の家族さんと

話す機会も少なくないので、
あえてここで言います。


残された家族さんたちにこんなことを聞かれる。


「もっと早く救急車をよんで、

心臓を押すことができていたら、

この人は助かっていましたか?」


これに対する返事は、

本当に頭を悩ませます。


相対的に、
生存率が高くなっていた可能性があるのは
事実だから。


でも、
こんなことを聞かれても、
正直簡単に返事なんてできないです。


残された家族さんたちの後悔を

ただ大きくするだけだから。


こんな経験があるたび、


「絶対にいつか、

こうなる人を根本から減らしたい」


そう思うようになりました。


しかしながら

今はコロナ感染拡大真っ只中。


対面で救命処置を教えるには、

時間的、労力的に限界がある現状がありました。


救命処置のコースに
直接参加してくださる人数にも、

感染爆発のため制限が設けられることに
なってしまいました。


「これでは

救える命がまた減ってしまう」


これならいっそ、


もうネット使って、僕が発信していこう!!


そう思いました。



今回この記事を書いているのは、

ネットの強みを生かして広めていくためです。




ネットの強みは

・1対∞ で広められる
・設備コストがかからない
・拡散力がある

ことです。


僕はこの強みを生かして、

より多くの人に、
今すぐに使える救命処置の知識

伝えたいと思いました。


大切なのは、

「みんな」が「誰にでも出来る」救命処置を
「正しく」行うこと

です。


今回は、

「少しでも多くの人が
 救命処置をできるようになってほしい」

そんな思いでこの記事を書きました。


この記事で伝えたいことが

3つあります。



〜1つ目〜

・心停止が起こる場所



心停止が起きる場所は

どこが一番多いか知っていますか?

答えは、




 「家庭」 です。


1位 自宅 (戸建て)・・・56.8%

2位 自宅 (集合住宅)・・・8.1%

3位 公共の場など  ・・・35.1%



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さらにこんなデータも出ています


 自宅で倒れた場合、
1カ月後の生存率は3・4%で、
大きな後遺症なく社会復帰できたのは1・4%。

チームが同じ統計をもとに別途分析したところ、
職場やスポーツ施設など公共の場で
倒れた場合の同様の生存率は19・7%、
社会復帰率は13・8%だった。

平均年齢などが違うので単純比較はできないが、
自宅で倒れた人の生存率・復帰率の低さが目立った。

引用元:朝日新聞デジタル 2019年10月6日


簡単にまとめると、



起きやすいのは家庭。
起きたら死亡率が高いのも家庭。


と言うことです。




そして伝えたいこと



〜2つ目〜


・毎日どこかで起きている心停止


日本で心停止する人は

年間で 約7万人 もいます。

交通死亡事故者数の約20倍です



つまり、

7.5分に一人が心停止で亡くなっている。


そして、

119番通報から救急車到着までの平均時間は
8分30秒。


さらに、

救命率は心停止から1分毎に10%ずつ
低下していきます。


つまり、

心停止の現場に居合わせた時、


もっとも救命率を上げてくれるのは、

病院で待つ医師や看護師ではない。


その場にいる”あなた”なんです!!!


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引用元:WOWWOW   
 踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!



救急車をただ待つだけじゃ、

その人はほぼ100%亡くなってしまいます。


もちろん奇跡的に

”心臓は” 動きだすことがあります。


でも、
予後(治療後の医学的な見通し)は非常に悪く、

意識が戻ることも本当に少ないです。


再び心臓が動くこと ≠ 元の状態


残されたご家族の悲痛な顔も多く見てきました。


寝たきりかつ意識不明。


ただ心臓が動いていると言う、
脳死状態となってしまいます。


そのような場合は、
居合わせた人によるBLS(一次救命処置)
行われていない場合が多いです。


逆に、
発見者によって

・胸骨圧迫(心臓マッサージ)
・人工呼吸


が実施された例では、社会復帰される方も多く、

特に若ければ救命処置の効果は高いです。


後遺症も”1ヶ月くらい記憶が飛んだ”
済む場合もありました。



脳や心臓といった重要な臓器は、

常に酸素が必要です。


血流がなくなりそれが途絶えると、

たった数分で細胞の壊死が始まってしまいます。


もしも居合わせた人により
 BLS が行われていれば、

その後の救命率や社会復帰率を


なんと 2.5倍に 高めることができます。



兎にも角にも、

この記事を読んだ全ての人が

”心肺蘇生” を実施できるようになってほしい。


ただ、

具体的なやり方や、意識がある場合の対処法、

そしてコロナ禍でどのように実施していくのか?


この辺りが怖くてどうしても

いざ目の当たりにすると実施出来ない、


こう言う人が大半だと思うし、

事なかれ主義の罷り通ったこの日本では

それは仕方ないことだと思います。


でも大事なのは、

せめて家族や友人くらいは
その時の持てる時間、力の全てを使って
救ってあげてほしいと思うんです。


「女性に胸骨圧迫なんてしたら、訴えられる」

こう言う声も多いですよね。


それもわかります。


いきなりこの日本の現状なんて、
僕一人じゃ変えれないと思う。


だったら!!!


その子の周りの友達だけでも
できるようになってくれ!!(祈)


それが同時多発的に起これば、

きっともっと、
心停止の防ぎえた死亡は減らせます!


命を救ってくれた友人を、
誰が訴えるだろうか?


街ゆく人が赤の他人でも、

隣にいるのが友人のあなただったなら、


助けるための行動を、
本気で取れるような人であってほしいんです。



長くなりました。


ここまで読んでくれた人は、
きっと本気の人ですよね?笑


それではこっからが本番です!


 ーBLS手順ー

心停止の認識編   【コロナ禍Ver】

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