毒親だった肝臓がんの母から「いい娘を持って幸せだ」と言われるまで(3)
養ってやってると言った父、産んで育ててやったんだから恩返ししなさいと言った母。言う通りにしないと暴力と暴言の嵐の兄。
とにかく家は息つける場所では決してなかったので、一人暮らしが夢だった。結婚した後、ようやく実家から解放されてスッキリと思ったのも束の間。元夫は1時間おきに電話をかけてきた。今のようにスマホがなくて、家の電話を3回鳴らすと「何してた」と言われた。トイレに電話の子機を持って入った。
子供ができたら変わると期待したが、悪い方に変わっていった。夜泣きにブチ切れ足で子供を蹴った。あやしてるといい、息子を抱きながらうずくまる私に、ヘラヘラと笑ってみせた。
夜泣きを口実に別の部屋で寝るようにしたが、息子が泣くとアパートの壁を蹴った。実家の母と兄が交代でアパートにやってくることが、元夫を苛立たせた。部屋の入り口に私が寝て、息子に危害を加えられないように夜はうとうとだけにして、昼間息子と昼寝した。
地獄の日々の中でも、息子の成長は希望だった。