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人気作家のはじめての告白!?〜『俺の文章修行』

◆町田康著『俺の文章修行』
出版社:幻冬舎
発売時期:2025年1月

オビには「町田康の文体に宿る精神と技巧。はじめての告白」とあります。よい文章を書くには、文章を読むことが大切とは誰もがいうことですが、本書もその例に漏れず。ゆえに文章論の前に読書論が置かれます。

読むこと。そして書くこと。その精神と技巧について歴史的仮名遣いや大阪弁を駆使したイチビリ文体で展開していきます。「文章のいけず」「心の錦」などのキーワードで大いに語ります。おもろいようなおもんないような微妙な読み味といえばよいでせうか。

それでも、「自分で選ばない本こそが重要」とか、「ネタバレというが結末を知って興味を失うようなもんは真の読書ではない」とか、「人生が一瞬で決まるのと同様に文章も一瞬で決まる」とか、町田康箴言集を編集したくなるような言葉が次々に乱舞します。

プロレス的文章(小説)と格闘技的文章(論文)の二分法は議論の余地があるかもしれませんが、大づかみでの文章論の前提としてありうるものでしょう。不勉強ながら町田康の肝心の小説の方は読んだことがありません。というわけで小説の方も読んでみようという気にはなつたのでした。

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