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ピカソやデュシャンにも影響を与えたドイツ・ルネサンス画家〜『クラーナハ展 五〇〇年後の誘惑』

大阪・国立国際美術館で開催中の『クラーナハ展 五〇〇年後の誘惑』。
ルカス・クラーナハはドイツ・ルネサンスを代表する画家の一人です。大規模な工房をつくって絵画を速く且つ大量生産したことで知られます。さらにマルティン・ルターがドイツ語に翻訳した聖書の版画を製作するなど宗教改革にも関与しました。宗教改革は1517年に開始されましたので、今年で500年を数えることになります。

3年がかりの修復を経て来日した〈ホロフェルネスの首を持つユディト〉がやはり圧巻。当然ながら肖像画〈マルティン・ルター〉も見ることができます。ユディトにしてもヴィーナスにしてもクラーナハが描く物語のヒロインたちの表情は独特(「冷たい視線」という評価が定着しているようですが)で、何ともいえない不思議な空気感を醸し出しています。
このほか、ピカソやデュシャン、森村泰昌らによるクラーナハのパロディ的な作品も展示されているので、単に古典作品を愛でるというだけでなく、クラーナハの近現代アートへの少なからぬ影響をも感じさせる展覧会になっています。

同時開催の『ピエール・アレシンスキー展 おとろえぬ情熱、走る筆。』は、ヨーロッパの現代アートと日本の前衛書道との融合を見ることができ、こちらもそれなりに興味深いものでした。

*『クラーナハ展 五〇〇年後の誘惑』
会場:国立国際美術館
会期:1月28日〜4月16日
主催:国立国際美術館、ウィーン美術史美術館、TBS、MBS、朝日新聞社

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