「土煙映画」の傑作!?〜『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
見ているだけでゲホゲホするような土煙を画面全体に活き活きと描いてみせた映画といえば、私のような単純な映画好きはジョン・フォードの『駅馬車』を真っ先に想起してしまうのですが、ここに我が〈土煙映画〉の歴史に名を刻む秀作が新たに一つ加わることになりました。アレクサンドル・ソクーロフ監督の『チェチェンへ アレクサンドラの旅』がそれ。
とにかく冒頭からエンディングまで、土煙がモウモウと立ちこめる様が見事なまでに描出されているので、それでなくても時節柄喉の調子が良くない観客も少なくな