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マゾじゃないのにマゾが好きそうなことをしてみた結果

タイトル、謎ですよね。

これは、私がビワイチに行った感想を綴っている記事です。

変なことを想像した人はUターン願います。

さてさて。

急に思い立って、この3連休の金土を使って、行ってきましたよ。

京都から滋賀に行き、そこからビワイチ!そして帰路に着く。

果てしなく長かった…。

正直、わりと衝動で決めて楽しい想像しかしてなかった。

「琵琶湖一周?楽しそう!景色も綺麗やし、絶対楽勝やん!」

と、舐めていました。。

私の職場にもロードバイカーがいて、「大体12時間ぐらいやから、2日に分けたら物足りひんと思うよ!」と言われた。

私はガチ勢のロードバイカーではないので、物足りなくて結構です、と思いながら、長浜にあるちょっとお高めのホテルを予約していた。

そもそも私はロードバイクではなく、クロスバイクだ。
クロスバイクのわりにロードバイカーが行きそうな場所に出向いている自負はある。
なので、今回も行けるだろうと高を括っていた。

まず、一泊するということで荷物がいつもより多い。

・ホテルで着る服(トレーナー、パンツ)
・下着
・洗濯ネット
・スキンケアセット
・日焼け止め
・充電器

これらをリュックに詰めると2㎏ほどになり、まあまあ重たい。

それらを背負い、金曜日にいざ出発。

まず、京都市内から滋賀県まで1時間ほどかかる。
京都から山科までの間で峠があり、山科から滋賀までの間にもうひとつレベルの高い峠がある。

ここはわりと何度か行っているので、慣れたもんである。

そして、大津に着き、ビワイチが始まった。

もちろん低速コースでチャレンジ!

なんとこの日は「ビワイチの日」だったらしく、大勢の参加者がいた。

わりと中年男性が多かったように思う。

反時計回りで走ったので、大津~草津~守山~近江八幡~彦根~米原~長浜という流れだ。

守山くらいまでは普通に漕げていたと思う。
しかし、このあたりからお尻が痛くなってくる。

そう、私は服装も初心者丸出しだったので、パッドの入っているパンツなどは一切履いていなかった。
加えて、クロスバイクは特にサドルとハンドルにダイナミックに振動が伝わるらしく、その分痛みも増すとのことだった。(途中で調べた)

ビワイチ用に道は補整されているようだが、それでも凸凹道もあり、そのたびにヒップが痛む。

そして太ももの前の筋肉とふくらはぎに疲労がたまり始める。

アップルウォッチの充電の減りも早かったので、琵琶湖大橋を渡り、堅田のマクドナルドに入る。

琵琶湖大橋からの眺め

ここのマクドナルドは充電もできるので、大変助かる。
スマホとアップルウォッチを充電しながら、私もお昼を食べながら体を充電させた。
しっかり限定のNYバッファローチキンセットを平らげた。
私の中に「食欲減退」という文字はない!!

そして休憩が終わり、再び琵琶湖大橋を渡り、長浜に向かう。

近江八幡あたりはまだ好調だったと思う。
私はこのあたりの出身なので、懐かしさもあり、既視感のあるところを走っていることで元気が出た。

しかし、ヒップの痛みは消えることはなくて…。

もうひとつ言うならば、一人で無心でずっと自転車を漕ぐというのもなかなか精神的に辛かった。

そこまで考えることもないので、だんだんと「え、今私なんでこんな苦行してんの???こんなことせんでも家でおいしいもの食べてクレヨンしんちゃん観る休日でよかったんじゃね????」と思えてくる。

天気も良く、琵琶湖は非常に綺麗だったが、それ以上に疲労が上回っており、「明日もこれするのか…帰れるかな…」という不安しかなかった。

これからビワイチに挑戦しようと考えている人には、暗い話をしてしまい、大変申し訳なく思うが、私の本心だから仕方がない。

眺めは最高だけどね

そして近江八幡から彦根、彦根から長浜までがめちゃくちゃに遠く感じた。

とっくに体の限界は超えていて、途中で写真を撮ったりしながら気を紛らわせた。

ホテルのチェックインは16時にしていたが、どうにも間に合いそうもない。

予約した時の私ときたら「朝8時に出たら14時ごろには向こうに着きそうやな。ま、観光でもするか!」と呑気に観光地を調べていた。
心からあの時の自分を殴りたい。

マップを見ながら「〇時〇分に到着」という文字に安堵しながらも「あと〇分も漕がなあかんのか」と途方に暮れる。
それがたとえあと20分だったとしても猛烈に長く感じた。

16時半すぎ、ようやくホテルに到着。

普段の私なら物怖じせずホテルに入るところだが、この日の自分は相当ひどい見た目だったと思うので、ホテルの人にも申し訳なかった。

少し良いホテルを選んだ自分を激しく恨んだ。

普通のビジネスホテルの素泊まりで十分だったのではないか。と、何度も自問自答したが、どうせ予約して高いお金を払うんだから好きにさせてもらおう!と、開き直れる自分の性格はやはり好きである。

しかし、この時の私の心情ときたら酷いものだった。

いかにして明日楽に帰るかしか頭になかった。

まず考えたのが、電車での輪行。

お金を払ったら自転車って載せてくれるのかな…と淡い期待を抱きながらネットで調べた結果、輪行袋という専用の袋に分解して入れないと載せることができないと言うのだ。
何をふざけたことを…!!!
分解などという術を知るはずもなく、またどうしたものか考えた。
(近くの自転車屋さんに行って、輪行袋を買うついでにそこでお金を払って分解も頼めないだろうか…)
こんなことが頭を過った。
これなら行けそうだ!分解した自転車はまたこっちの自転車屋さんでもとに戻してもらおう!!と、考えた。
ヤフー知恵袋に同じような悩みを持った人はいないだろうか、そんなことを考えながら検索した結果、案の定同じく「分解できる技術はないが、輪行で帰りたい」という人がいた。
回答を見ると「そんな人は遠出する資格ありませんよ」という冷たい回答がベストアンサーに選ばれていた。
自分に言われているようでショックを受けたが、そんなことは言ってられない。
そして職場のロードバイカー先輩にLINEした。

「もう輪行しようかなと…」
「大津まで来たら回収してあげるから頑張って走り!!」と言われ、せっかくここまで来たし頑張った方がいいのか…と、葛藤が始まる。

そもそも、ホテルに着いた時点で全身筋肉痛になっていた。
ほぼ肉離れの症状に等しい。
こんな状態で明日走れるだろうか。
なんなら明日の方が距離が遠い…。

ここでまた私は閃いた。
どうしても帰れなさそうだったら、もう一泊どこかで泊まろう!そう思うとかなり気が楽になった。なんならラブホテルでもいい。
3連休万歳だ!!

夜、彼から着信があり、今日がいかに辛かったかを語る。
彼は「俺も明日バイクでそっち行こうかな!」と言い出した。
彼はバイクなので、体力は無用だ。
だが、それよりも「頑張って漕いだら彼に会えるかも…??」という私の中の乙女心が激しくくすぐられた。
これはもう頑張って漕ぐしかない!!!!!

そして、コインランドリーで当日着ていた服を全部洗い、ホテルで高級イタリアンをバクバク平らげ、大浴場で体を癒し、ぐっすり眠りについた。

ロードバイカー先輩からは「私が子どもたちと行った時は木之本出発で朝5時に出たよ」と言われたが、ホテルの朝食の時間もあり、朝8時出発が限界だった。

ホテルから見た朝日と琵琶湖

翌朝、私の体力は少し回復していた。
なんとか漕げるかな…と、少し前向きになり、元気に朝ごはんを食べた。

朝食はビュッフェだったのだが、なんと食べようとしたウインナーに蜘蛛がくっついていた!!!!!
正直クレーム案件だが、朝蜘蛛は縁起がいいというからそのままにして、その場を去った。
なので、あえて私は今回泊まったホテルの名前は出さずにいようと思う。

お尻の痛みは残るものの、なんとか走りだすことができた。

長浜~木之本~マキノ

このあたりは田舎感が今まで以上にすごく、琵琶湖も綺麗だが、少し紅葉しかけている山も美しかった。

この水色のラインが心の支え。この先に見える峠が地獄の始まり…

ただ、峠があり、それが苦痛で仕方なかった。
それに耐えることができたのは目の前にいたカップルのおかげだとつくづく思う。

そのカップルたちも自転車を漕いでいて、抜いたり抜かされたりを繰り返していた。
目の前で手をつなぎながら山を越えていく姿に愛を感じたが、同時に「負けてられるか!!!!」という、謎の闘争心が私の中から湧いて出てきた。

めでたくそのカップルたちを追い越し、峠を越え、下り坂に入った。
あの時が一番爽快だったように思う。
このまま永遠に下り坂が続けばいいのに。そんなことを思ってしまうほどに脚の疲労は溜まっていた。

個人的にはマキノ〜安曇川あたりから見る琵琶湖が一番綺麗だと思う

安曇川に差し掛かり、またマクドナルドを探した。
2日連続でのマクドナルドは気が引けたが、充電しないことには帰路につけないので、必死に探した。
結局安曇川のマクドナルドがマップ上に出てきたのでそこを目指して走ったが、その間も私はずーっと輪行する方法はないか考えていた。

ここから自転車屋に持って行って分解してもらって…という頭しかなかった。
安曇川のマクドナルドで家までの経路を調べて残り4時間以上あったら絶対輪行して帰ろう!!!と、心に誓った私だったが、実際調べたところ、残りの時間が「3時間38分」というなんとも中途半端な文字が出てきたので、頑張って走るより他なかった。

それでも、またそこでマクドナルドを爆食いした私はまた元気になっていた。おそらくマクドに着くまでの私はものすごく空腹だったのだと思う。
空腹は人をネガティブにさせる。と、心から思った。

元気を取り戻した私はまたビワイチコースに戻った。

白髭神社を通り、大津に向かった。

ロードバイカー先輩からLINEがきて「私も反対方向から向かうわ!」という温かいお言葉をいただき、非常に心強く思った。

ちなみに彼とはどこかですれ違ったのか、気づけば私が通った場所に今いるよという連絡がきた。

それよりもなによりも帰れるかどうかしか私の頭にはなかった。

とにかく延々漕ぎ続けて、琵琶湖大橋付近でロードバイカー先輩と合流。

「すごいやん!早いやん!」というお言葉をいただき、嬉しくもあったが、痛むヒップと手のひらは回復することもなく…

そこからロードバイカー先輩と京都に繋がる国道まで一緒に走った。

滋賀から京都に帰るには絶対山を越えないといけない話は最初にしたが、2つ選択肢がある。

ものすごく急な山道を越えるか、長くなだらかな坂をずっと上っていくかの二択。

山道は電気もなく、危ないと判断し、国道のなだらかな坂を選んだ私だったが、これが最後の大地獄になろうとはこの時は思いもしなかった。。

ロードバイカー先輩はさすがである。
国道までの坂道を一度も立ちこぎすることなく、スイスイ登っていく。
私は立ちこぎをしても追いつけず、体力だけが奪われ、ロードバイカー先輩との距離が開くばかりだった。

そんな私にロードバイカー先輩は合わせてくれてすごく心強かった。

ロードバイカー先輩とさよならした後、また坂道が続いたのだが、上り坂はそこからずっと歩いた。
正しい判断だったと思う。

そして下り坂になり、これまた爽快感を覚えながら下ったものの、初めて帰る道だったこともあり、迷ってしまった。
迷った私は自転車のくせに有料道路に入りかけた。
あと一歩のところで大恥をかくところだったが、なんとか引き返すことができたが、あの時隣を走っていった自転車の男の子に笑われたのを私は一生忘れない。

そして山科から京都への道はよくとおる道だったので、難なく帰ってくることができた。
あたりはもう真っ暗だった。

家に着いたのは19時頃。

本当に長く、辛く、苦しい道のりだった。

自転車に乗っていた時間は2日合わせて18時間。
距離は230㎞!!

当分自転車には乗らないかもしれない。

と、思うほどのトラウマを植え付けられた出来事ではあったが、周りの人の応援や温かさにも改めて気づくことができたように思う。

そして、「絶対無理!!!!!」と思っていてもできてしまうことがあるのだということもわかった。

ただ、こんなこと好きでやっている人は私からしたらドMだとしか思えない。
私は根っからのMではないので、苦痛すぎたが、ぜひ自称Mの方には一度体験してみてほしい。

ちなみに今日は一日中、全身筋肉痛で満足に歩くことさえできていない。

そしてさらにショックだったのが、一切痩せていなかったということ!!!!なぜ!!!!!

筋肉にでもなったんだと信じておこう。

長くなったが、これで私のビワイチ体験談を終わりとする。

本当にしんどかったーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!


それでは、また。


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