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ホープダイヤモンド

博物館で終わりのない夢をみていた
歪な運命の歯車は
私をここに閉じ込めて止まった

あんなにも鮮明だった記憶の断片が
まるで幻想のようにぼんやりと
霞がかかってゆく

希少なブルーダイヤモンドとしての
私の記憶が

輝きは見る者すべてに魔法をかけた
上流階級で私はすぐに
羨望と欲の標的になり
裏では莫大なお金と沢山の悲劇が渦巻いた

所有者が変わるたびに
非業の死をとげるたびに
何故か私と関連付けられて 私の呪いにされた

貴族たちを魅了したのは確かよ
けれどその他は 何もしていないわ
なぜ『呪いの宝石』と私を呼ぶの?

度重なる哀しみと血と涙に浸されて
私の青はだんだんと深くなっていった
けれど そんな噂がたっても
私に魅了される人は後を絶たない

あれから幾つもの歴史を渡り歩いて
貴婦人たちの胸を飾ってきたけれど
一つ所に長くはいられなかった

偶然なのか寿命なのか
ホントに呪いなのかは分からないけれど
私がいる所には確かに死が付き纏った

『呪われた宝石』として有名になったけれど
不幸をすべて私のせいにして満足ですか
語り継がれてる伝説の中には
作られた史実もあるのに

私は希少なブルーダイヤモンド

記憶を辿ったら何だか疲れたわ
もうしばらくここ(博物館)で静かに眠らせて



💎 映画タイタニックで登場した宝石
碧洋のハート(The heart of the ocean)
モデルは『ホープダイヤモンド』

ホープダイヤモンドは、呪いの宝石として現在は
アメリカの国立自然史博物館(スミソニアン博物館)に収蔵されている。

アンティーク・ブリリアント・クッションカットで、45.52ctのブルーダイヤモンド。

無色透明のものほど、価値が高いといわれる
ダイヤモンドですが、通常は炭素のみで構成されるダイヤモンドにホウ素が混ざると、ブルーダイヤモンドになります。

産出量は極めて少量の為、希少で高価。

持ち主を破滅に追い込んでは、次の持ち主の手へと渡る伝説の『呪われた宝石』






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