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偕成社少女世界文学全集1~8
1.赤毛のアン モンゴメリー / 村岡花子
原題は『Anne of Green Gables』で、全然『赤毛のアン』ではなくて呆然とした時に、同時に『にんじん』と近いモノを感じてた部分がなくなり、全く想い入れがなくなった作品だったりする
マーク・トウェインがイギリスの【アリス】に比して絶賛してたが、自分は断然【アリス】贔屓なので比べて欲しくないと思う
絶対に譲るコトを知らない強情な性格のアンが、なぜこんなに愛されてるのか理解に苦しむ
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2.ハムレット / ベニスの商人 シェークスピア / 森三千代
幽霊の出現に始まる『ハムレット』は、それだけでもう十分にホラーに思えたので、その手が苦手だった自分は当時未読だった
その後読んでみたがB級ホラーより支離滅裂に思えて、シェイクスピアに対する苦手意識が強まった
それでもミレーやウォーターハウスの作品から、オフィーリアにだけは想い入れがある
打って変わって『ヴェニスの商人』の方は、自分にはシェイクスピアで1番おもしろいと思える作品だ(そう断言できるほど総てを読んではいないのだが・・・)
とりわけクライマックスの裁判の場面での、ポーシアとネリッサの男装は想像するだけで愉しめるが、駆け落ちの際のジェシカの小姓姿にも心躍らされる(のは単に自分の衣装倒錯趣味からだろうか?!)
しかしユダヤ人や褐色人種に蔑視が行われてるコトで、この物語こそがシェイクスピアの人間性に対して、自分が疑念を抱く最初のきっかけにもなったし、そういう観念を公然と正義にもとるキリスト教にも、倫理的に不信感を持つようになったので、自分の人生における価値観に反面教師的に影響してる
3.緑の館 ハドソン / 野田開作
児童書、通常版共に永らく絶版のままなので、岩波の復刊を期待するしかないか・・・?
オードリー・ヘップバーン主演の『緑の館』がコケたのも
人気下降に影響してるんだろうけど、彼女が出てるのに未だDVD化されないってのも凄いな・・・
自分はむしろ鳥類学者であるウィリアム・ハドソンの著書の中では、『緑の館』がどうしても読み返したい1冊ではなく、他の作品をこそ読みたいのだが!
どれも自然を愛する心に溢れてて素晴らしい!!
4.即興詩人 アンデルセン / 伊藤左喜雄
子供にはどうかと思いつつやはり森鴎外訳がサイコーだ!
岩波文庫版も鴎外だがこちらは上下分冊なので、自分は1冊にまとまってるちくま文庫版の方が気に入ってる
そういえば鴎外の【鴎】の字は本トは正しくないのだが、パソコンでは表示不可能な文字なので、ネット上ではすっかり「鴎外」となってる
鴎外でギャル文字(死語?)はあんまりだが、【區鳥】が正解!
5.三人姉妹 / 桜の園 チェーホフ / 大庭さち子
比較的日本で人気のある作家だと思ってたチェーホフでさえ、児童書としては今やほとんど存在しないのには面食らったが、表題の2作品は新潮文庫に両方収められてた
さすがに『カシタンカ』はあった、いや、青空文庫でもあるけど、こういう美しい挿絵のある本で読んで欲しい、切ない涙が止まらない物語だ
『かもめ』や『小犬を連れた貴婦人』が、マイヤ・プリセツカヤのバレエの演目にあるコトを付記しておく
6.ジェーン・エア シャーロット・ブロンテ / 榛葉英治
この児童版で読んで、映画もいくつか観てるが、自分にはどこがいいのかわからない物語だ
『赤毛のアン』と『ジェーン・エア』と『あしながおじさん』は3大苦手な少女小説だ
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7.母の曲 プローティー / 宮内寒弥
『母の悲曲』『母のいのり』として児童版が何種類か出てたけど、総て絶版
オリーヴ・ヒギンズ・プローティの『Stella Dallas』は何度も映画化されてたりするのに、なぜか完訳本で出ておらず
その映画もベット・ミドラー版の『ステラ』はDVD化されず
8.幸福の家 アボット / 岸なみ
ジェーン・アボットの作品は、数点が邦訳されてたが、総て絶版
でもまあ元より児童文学なので、洋書(英語版)もありで『幸福の家』は2015年にパブリック・ドメインとして公開されたので、Audible版 なんてのもあった