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私の身体を蝕むInstagram




私はInstagramが嫌いだ。


Instagramを使いこなす美人な女の子にはモテたいし、人脈が自慢のキラキラしている男友達の恩恵も受けたい。
だからこんなダサいセリフは口が裂けても人前では言えない。


もちろん私は毎日Instagramを利用している。
しかし自ら投稿やストーリーを上げたのは半年前の年末に帰省した際で、半年間はただ友人や芸能人の生活を眺めているだけである。
何か目的があるわけでもなく、常に最新の情報を欲するほど追いかけている芸能人がいるわけでもない。
友達が今どこにいて、ネトフリで見た映画の話を知りたいわけでもない。
気づいたらあの形容しがたい色合いのカメラマークをタッチしているのだ。
Instagram中毒である。


私がどれだけInstagramが嫌いで、Instagramがもたらす悪影響について書き連ねたい。
まずはいちSNSではなく膨大な影響力を持つ存在と化した "悪の権化【Instagram】"について説明する。


悪の権化【Instagram】

令和5年の今、Instagramを知らない人は非常に少ないであろう。
改めて説明するほどでもないと憤慨するかもしれないが、Z世代と言われる20代以下と30代以上では全く利用方法が違うのである。

https://www.meltwater.com/jp/blog/instagram-for-beginners

簡単にまとめるとTwitterが文章が中心のSNSであるのに対して、Instagramは写真や動画が中心である。
インスタグラマーやインスタ映えという言葉から感じ取れるようにおしゃれなイメージがあるだろう。


このおしゃれなイメージこそが私たちの身体を蝕む諸悪の根源なのである。
ベストセラーになった、アンデシュ・ハンセン氏のスマホ脳にも書かれている通り、友人たちのおしゃれな休日の過ごし方やカップルの幸せそうな投稿を見て自分の生活と比べてしまい、精神疾患を抱える人が非常に増えているそうだ。

必死に倹約して手に入れたブランド物のバッグも、彼氏がテンション低くて喧嘩してしまったディズニーデートも、パパ活で行った高級フレンチも綺麗な面しか切り取られない。
いつもキラキラした生活だと勝手に錯覚してしまうのだ。
休みの日は俗にいうインスタ映えスポットに行き、私の彼氏は素敵なんだと記念日のディナーの写真で必死にアピールをする。

Instagram中心の生活になっていることに気づいていない人も多いのではないだろうか。
この程度であればInstagramをあまり利用しない人でも容易に想像がつくであろう。
当たり前すぎてもうこの時点で非常に危険な存在であることに気づいていない。



Instagramがどれだけ私たちの生活を蝕んでいるのか枚挙していく。


1.LINEはもういらない


Instagramを利用していなくてもLINEを利用していない人はほとんどいないであろう。
今の時代、連絡先交換といえばLINEである。
メールアドレスや携帯番号を知らない友人も多くいるのではないだろうか。
どちらもLINEでできるからだ。

しかし今の若者の連絡先交換はLINEではなくInstagramだ。
Instagramではダイレクトメッセージという機能で電話もできる。
過去の投稿やストーリー機能などでその人の趣味嗜好が分かり、会話が途切れてもまた新たな投稿で話題が生まれやすいからだそうだ。
つまり「LINE=連絡手段」もInstagramに取って代わってしまった。


2.自撮りアプリはいらない


SnowやUlikeといった自撮りアプリは女性にとっては必需品であろう。

しかしInstagramのカメラ機能では美白や小顔にしてくれるのはもちろんのこと、可愛いサンリオキャラになれるものや、漫画の名シーンを再現できるものなど個人が作成したカメラフィルターが無限にある。
非常に良くない話だが、正規の自撮りアプリでは使用できない音楽やキャラクターデザインなど著作権侵害の無法地帯である。

もちろんユーザーを減らさぬように日々研鑽を積み重ねる自撮りアプリも非常に優秀で、違和感の少ない加工の精度の高さや試したくなるフィルタなど工夫がみられる。
しかし結局Instagramに載せる写真なのでいちいち違うアプリを開くのも手間である。

3.食べログは見ない

「ここのお店、食べログ3.9だよ。」
食べログの評価で客足が減って閉店してしまったお店があるほど強大な影響力を持った食べログも今の若者はあてにしていない。

#新宿ランチ #東京オムライス などInstagramで検索すれば人気のお店の投稿がたくさん出てくる。
オムライスだけをまとめたアカウントやデートに最適なお店をまとめたアカウントなど知りたい情報だけが手に入り、すぐに比較できる。

それだけでなくInstagramの位置情報機能を使えば、今いる近隣のマップに投稿が多い人気のお店が表示されるのである。
実質その投稿数や人気のアカウントに取り上げられている様が食べログの評価と似たような指標であろう。

人気店だが見た目の割にあまり美味しくなかったことも正直ある。


別にいいのだ。

だってInstagramに載せたいだけなのだから。
映えればそれでいいのである。
だからInstagramで調べるのが手っ取り早い。
本当に美味しい店よりもInstagramで話題のグルメの写真を載せて羨ましがられたいだけなのだから。


デートのお店でお困りの方はInstagramで調べてください。
絶対に外しません。
若い女性が求めるのは美味しいご飯ではなく映える店です。
こんな美味しい店を、ではなくこんなおしゃれな店を知ってるなんて素敵!です。
これだけは保証します。


4.旅行サイトは見ない

これは食べログと同じです。
Instagramで人気のスポットに行きたいだけです。
どうせInstagramで旅行アピールしたいだけなので写真映えすればそれでいいのです。


5.興味あるものしか見ない

これは他のSNSも同様だが自分がいいねを押した投稿や、同世代の人に人気な投稿が表示され、その投稿への反応でどんどん興味のある情報しか入ってこなくなるのである。
誰かに趣味嗜好を把握されて思想を支配されているような怖さがある。

TwitterやFacebookに広告を出した場合の各SNSにおけるユーザーの購買行動の傾向を企業はすでに理解しており、気付かぬうちに手のひらで転がされているのである。

その2つ比べてInstagramユーザーは購買比率が高いらしい。
まあこれだけ生活を支配されているだから当然であろう。
Instagram映えさえすればいいんだから。


結局、Instagramからは逃げられない。


Instagramを使う時間が増えるほど幸福度が下がる研究結果とか、趣味嗜好がデータ化されて購買行動が操られているとか、そんなことはもうずっと前から理解している。

私は女の子にモテたい。イケメンの友達が欲しい。

Instagramの不満なんてこぼしたら周りについていけないダサい人間だと思われるから口が裂けても言えない。
今日もInstagramを開けば積み立てNISAや資格勉強など私たちはしっかり対策していますと将来の不安を煽られる。
他人の生活がすぐ目に入る世の中だからこそ、常に他人と比べてしまい、自分も頑張らないといけない気がしてくる。
本音は頑張りたくない。でもモテたい。かっこつけなきゃ。頑張らなきゃ。

男らしさとか女らしさとか押し付けてはならない風潮だが、男はまだ弱音を吐けない。女は自信満々で自分を守ってくれる強い男が好きなのだ。
どこの企業も男女の収入格差は減っているのに女はまだ男性に収入を求める。
頑張らなきゃならない。


結局ただこうやって不満を誰かに聞いてほしかっただけなのだ。

みんな頑張りたくないから弱音を吐く人間が好きなのも私は分かっている。
人気のnoteの傾向だってデータ化されている。
全部私の手のひらの上だ。


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