第４回 友綱親方編／ジンギスカン
第４回 友綱親方編／ジンギスカン
北海道ジンギスカン 石原本店
横綱・白鵬、鶴竜など、現在、モンゴル出身の関取（幕内、十両）は13名を数え、外国出身力士の一大勢力となっている。
元旭天鵬の友綱親方は、1992年、初の「モンゴル人力士」として、旭鷲山ら６人で日本にやってきたうちの１人である。入門当初は日本にも相撲にも馴染めず、相撲部屋から脱走を試みたこともあったが、98年初場所で新入幕を果たして以降、モンゴル人力士の先駆者として、存在感を示してきた。
2012年夏場所では、37歳で初優勝を果たし、その後も現役を続行。60年ぶりの「40歳の幕内力士」として、話題を集め、15年名古屋場所で惜しまれつつ引退。
17年には、友綱部屋を継承し、部屋の師匠となった。現在は、十両・魁聖、旭秀鵬らの力士を指導している。
05年には日本国籍を取得し、日本人「太田勝」となった友綱親方だが、モンゴルで育った少年時代に食べた羊肉は、今でも大好物。
「羊肉料理というと、日本人はジンギスカンをイメージするでしょ。でも、モンゴルでは塩ゆでが主流で、ジンギスカンって食べないんだよ（笑）」
と、友綱親方。
そんな親方が推薦するのが、「北海道ジンギスカン 石原本店」。
「ここのジンギスカンはあっさりしているから、ジンギスカンのイメージが変わると思うよ。ボクみたいなおじさんでも、カロリーを気にせずに食べられる（笑）」
ＪＲ両国駅と錦糸町駅の中間地点にある店に入ると、従来のジンギスカン店に見られるようなギトギト感はまったくない。
「メニューが決まったら、食券をお買い求めください」
元力士のツェレンドルジ店長からこう促されて、肉、野菜、ドリンクの食券を券売機で購入。この店は、店長が調理から接客まで１人でこなしているため、お店側とお客さま、またお客さま同士が自然と協力し合っている。ドリンクもサーバーから、お客さまみずからグラスに注ぐスタイル。
人気は、特上肩ロース（２人前＝1600円）。他に肩ロース（２人前＝1600円）と、ラムシャブ（２人前＝1600円）がある。
店の自慢は、南部鉄器のジンギスカン鍋。
「神奈川・川崎市に同じようなスタイルのお店があるのですが、そちらから譲ってもらった鍋です。南部鉄器で調理をすると、鉄分が摂れると聞いています」
と、店長。
南部鉄器の溝の部分で野菜盛り（220円）、きのこ盛り（440円）を焼き、鍋の中央で肉を焼く。すると、肉が蒸し焼き風になる。
焼き上がった肉は、特製のつけだれでいただくほか、塩、コショウ、カレー粉などでシンプルに食べるのもおすすめ。
「ジンギスカン料理屋というと男性客が多いイメージですが、ウチの店の場合、男女比は６対４くらい。女性だけで来るお客さまも多いんです。ジンギスカン食べ放題コース（90分＝3000円）、特上食べ放題コース（90分＝4500円）を女性だけで注文されて、ペロッと食べていかれます（笑）」
明るく、清潔感あふれる店内が女性客の支持を得ているのだろう。
肉、野菜を食べ終えた後は、肉、野菜の煮汁をスープにした、特製ラーメン（250円）で締めたい。卵麺とスープだけでも十分においしいのだが、ここに特製つけだれ（ジンギスカン用）を加えるのもおすすめとのこと。
「17年９月にオープンして、２年以上が経ちました。おかげさまで、友綱親方をはじめ、他の親方、力士の方もよくいらしてくださいます。夏場所で優勝した、今注目の朝乃山関が所属する高砂部屋は、徒歩１分圏内。高砂部屋のみなさんにもごひいきにしてもらっているんですよ」
お一人さまでも大人数でも、思い立った時に、気軽に立ち寄れるジンギスカン料理店。きっとこれまでのジンギスカンの概念が変わるに違いない。
撮影：山口真由子
＼今回訪ねたお店／
北海道ジンギスカン 石原本店
東京都墨田区石原2-15-9 交楽堂ビル1Ｆ
03－5637－8056
営業時間 17:00～22:30
（ラストオーダー22:00）
定休日 第２、第４火曜日
公式Facebook https://www.facebook.com/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%B3-%E7%9F%B3%E5%8E%9F%E6%9C%AC%E5%BA%97-348303058928121/
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向正面から世界が見える～大相撲・外国人力士物語
◯第４回：友綱親方（１）
旭天鵬には謎だった日本で角界入り「サムライや忍者がいると思った」
◯第４回：友綱親方（２）
部屋から脱走し帰国した旭天鵬。なぜ相撲界への復帰を決断したのか
○第４回：友綱親方（３）
旭天鵬が母国で批判も帰化申請。モンゴル人初の部屋付き親方になった
友綱勝（ともづな・まさる）
元関脇・旭天鵬。本名：太田勝。1974年９月13日生まれ。モンゴル・ナライハ出身。迫力のある寄りを生かした若々しい取り口で、40歳10カ月まで土俵をつとめた。幕内優勝１回、三賞受賞７回。2005年に日本国籍を取得。2015年７月場所限りで引退、年寄・大島を襲名。2017年に友綱部屋を継承、モンゴル出身者として初めての「部屋持ち親方」となり、現在は11人の弟子を育てている。
友綱部屋公式サイトはこちら＞＞https://tomozuna-beya.jp