初めての不登校家庭教師で面を喰らった話...
今回は、ぼくが初めて学校に行けていない生徒さんを担当したときのお話しを赤裸々にお話しさせて頂こうと思います。
3年ほど前の話になります。
生徒さんは当時中学1年生でした。
今となっては、いわゆる不登校と呼ばれる生徒さんは何人も担当させて頂いておりますが、その最初の生徒さんでした。
今でも鮮明に覚えている...とういか忘れることができない、一番最初の授業で面を食らってしまったことと、嬉しかったことの2つを紹介させて頂きます。
●初めての不登校家庭教師
生徒さんのご自宅は、新築とはいわないもののきれいな一戸建てでした。
生徒さんの部屋は、窓から外が見える6畳程度の、いわゆる「The子供部屋」でした。
部屋には弱虫ペダルに出てきそうな競技用自転車、釣り道具、iPad、テニスサークルの日程表、急いで着替えたのか開けっ放しになっていたクローゼットとその奥には真新しいワイシャツと学生服などが目に入りました。
お父さんが、興味を持ったものを買ってあげているのかなぁなんて想像しちゃいました。
日ごろからきれいにしているような印象を受けたのと同時に、他の担当させて頂いてきた生徒さんに比べて教科書などの本が少ないように思いました。
玄関で迎えてくれた生徒さんは、背が高く、革ジャンを着ていました。
やはり口数は少なく、お父さんが色々とお話しをしてくださいました。
●面を喰らってしまった話
生徒さんの部屋に通され、お父さんが部屋の照明を点けようとしたとき、生徒がさんから「部屋の照明は消しておいて欲しい...」と要望がありました。
ぼくは、『…今から勉強するのに、照明を消すの?』と、生徒さんからの勉強をやりたくない...というサインなのではないか、というネガティブな感情にかられていました。
しかし、そういった理由ではなく、どうも照明をつけていることで外から部屋の中の様子が見えてしまうことを嫌がったようでした。
ぼくは面を食らいました。
やはり自分が学校に行っていないことで、近所や周りの人からどう思われているかを気にしてしまっているということでした。
ぼくの思考の追い付かな部分でのやり取りを目の当たりにして、事前打ち合わせ頂いていた、「何がタブーなのかわからない」というフレーズが頭の中をよぎりました。
●初回授業を終えた後
授業後にお父さんと2人でお話しする時間があり、そこでご家族のことを教えてくださいました。
ぼくは、これを聞かせて頂いたとき、思わず泣きそうになってしまいました。
生徒さんが普通の人はしないであろう苦労をしてきているのだと感じたからです。
お父さんが初対面のぼくに対して、こういったことを伝えてくれることをありがたいと感じつつ、すごくやるせない気持ちになりました。
そして、家庭教師という立場で、週に90分しかお話しできる機会はないが、できることはとても少ないかもしれないが、それでもぼくにできることはなんでもさせて頂こうと決心したことを今でも覚えております。
●初回授業で心から嬉しかった言葉
授業の最後は、ぼくから感想を聞く前に、今日は友達みたいに話してくれて嬉しかったと言ってくださいました。
90分で何ができたわけでもないし、何かが解決したわけもないですが、そのひとことを言って頂けただけで、ぼくもとても嬉しい気持ちになれました!
授業が終わり、リビングにお父さんを呼びに行ったときに、ぼくのいないところで「前の家庭教師の先生より100倍いい!」と言ってくれていたとお父さんから聞かせて頂きました。
(ぼくが担当する前に他の家庭教師の先生が指導していました)
まだ始まったばかりで、何があるか不安だし、何ができるわけでもないですが、自分のできることを精一杯させて頂こうと心から思ったかことを今でも覚えております。
その生徒さんも現在は通信制の高校に通う高校生です。
中学生の時は全く学校に行けなかったその生徒さんも、通信高校のスクーリングにも何の問題もなく通うことができています。
その生徒さんとどんな話をしてきて、どなような学習方法を採用してきたのかなど、今後このブログで紹介させて頂けたらと思っております。