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今日はスクールソーシャルワーカーの仕事は半休をいただき、午後から、ひとりの高齢者の男性の特別養護老人ホームへの入所サポートを行いました。

その方と私は、「成年後見制度」上の後見人と被後見人、という関係性です。もう5年くらいになるかなぁ。

身よりもなく、ずっとお一人暮らしの男性です。この5年、わたしを見ては、暴言を吐き、物を投げ、完全な支援を全く受け入れてもらえないそんな男性でした。でも、昨年末から認知症が進行し、食事がきちんととれなくなってきて、配食弁当もヘルパーがお休みされる年始三が日、お弁当を買って持参すると、「ありがとう」と、はじめて優しい言葉をかけてくださったのです。
それでも、突然訪ねると、「だれだ!でていけ!」と一声は浴びるのですが。

そして紆余曲折あり、入院することになり、今日が退院日。
看護師さんやスタッフのかたをひとりひとり呼んで、手をぎゅっと握って(若い子たちの手をそれ以上握るとセクハラになっちゃうよ!とドキドキでしたが)涙を流して、言葉にならないありがとうを一生懸命伝えられていて。 

病院のスタッフの方々はご存知ないだろうな。ここで初めて優しさに触れられたこと。助けてもらえたと感謝されてること。実はこの方がとっても苦労して、ここまで辿り着かれたこと。でもずっとひとりで、助けてと言えなかったこと、ぎりぎりになるまでひとりでがんばって来られたこと。

支援という立場は全てではなくて
人生のほんの一瞬を、しかも切り取った部分を少し知ってる程度。伴走できたのかもあやしい。
人生はその人のもの。尊厳あるその人だけの人生。
その人生こそに目を向けて、今一瞬だけお手伝いをします。次の人生の幕が開けるように。




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