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ターニングポイント

今、時代の大きな転換点を迎えていると感じています。

私の青春時代以降長く続き、30年にも渡り克服出来なかったデフレが、結果的にコロナ、ウクライナ戦争という「外圧」により、物価高、人材不足、金融緩和も含む円安のトリプルパンチで終焉、
遂に本格的なインフレへと向かっています。

私達飲食業において、インフレは材料費高、水道光熱費高をはじめ、ありとあらゆるコスト増に結びつきます。
また、コロナ前から感じていた働き手不足は、コロナが決定的な打撃となり、恐らく多くの方の他業種への移行、当然ながら少子高齢化も進み、雇用が難しいというよりもできない状況になってきています。

そういったことに対応できるか出来ないか。
自分達はどの様な道を選んでいくか。
この状況をピンチと捉えるか、チャンスと捉えるか。

私達はチャンスと捉え成長の道を選びます。

私達飲食店従事者に取り、お客様にご提供する物は何か。
自分達でなければ出来ない体験や商品を楽しんで頂くこと。
どれだけ価値をお客様より頂くお代以上にご提供できるか、
シンプルにレストランとしてそこを磨き込んでいきたいと思っています。

7/1〜お客様より10%のサービス料を頂戴することにしました。
街場のレストランとしては生意気な判断かもしれません。
しかし、商品代金以外に、言葉は悪いかもしれませんが
「人」に対するお代金を頂戴させて頂けたらと思い判断しました。

私達のお店では、お客様に楽しんで頂くには「人」こそ全てだと考えています。
おいしいお料理を作ることも、細やかや接客も、お迎えする準備も、お帰りになった後の細やかなお掃除も、全て「人」だからこそなし得る事です。
勿論、ITや最新技術は出来る限り使いこなして行きたいと思っていますが、
私達の最大の付加価値は「人」であると考えています。
これからロボットが接客し、無人化が進む一方、人だからこそ出来る「心」のこもった温かい接客、「心」を込めて作り出すお料理。

その「心」が強く優しい人と仲間として、これからも一緒に働いて行きたいと思っています。
頂くサービス料は、必要な環境整備や仲間を揃えて増やしていく為の大切な原資にあてることをお約束致します。

同時に飲食業の一般的に抱かれている常識から脱していかなければならないと思っています。
業界全体がとは言いませんが、どこか「人」を労働力として捉え、消耗消費し、
他業種に比べ圧倒的に低い賃金、コンプライアンスが欠如した一面が、人手不足を産み出した一面もあるかと思います。
この様な状況ではいつか人材が枯渇するのでは無いかという危機感も持っています。
私もそんな、胸を張れるような立派な経営をしてこれたかと言えば、反省すべき事は多々あり、他業種の方から見たら非常識と言えた様な部分もあるかと思います。

そこから脱し、全社員が職人としてのレベルを上げ続け、若い方から見て魅力的な職場、業界にレベルアップしていく。
その事で更にお客様にとって、楽しんで頂ける商品、サービスをご提供する。
そのようなプラスの循環を生み出したい。

磨き上げた、積み上げた技術や知識を横展開し、色々な場面と結びつけ、新しい価値を作り職人の価値を上げ、お役立てしていく。
自分に取り今後の10年はその為の10年間にして行きたいと思っています。

                       2023.6.20 猿田伸幸


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