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【PHI】 フィリーズ 2023 トレードデッドラインまとめ
本日8/2 午前7時(現地アメリカ東部時間 8/1 午後6時)に今年のトレードデッドラインが終了しました。
今回はフィリーズのトレードデッドラインの動きについて振り返ります。
トレード一覧
今年のトレードデッドラインでフィリーズがまとめたトレードは2件。
▪️トレード一覧
1.タイガースから先発のLorenzenを獲得
【獲得】Michael Lorenzen 先発右腕
【放出】Hao-Yu Lee 二塁手 A+ MLB公式プロスペクトランク 5位
2.パイレーツからユーティリティのCastroを獲得
【獲得】Rodolfo Castro 内野ユーティリティ
【放出】Bailey Falter 先発左腕
それぞれのトレードの詳細については後述します。
事前情報
まずはトレードデッドライン中に出ていた噂を振り返ります。
フィリーズの1番の補強ポイントは右打ちの外野手とされており、レッドソックスのAdam Duvallやメッツからダイヤモンドバックスへの移籍が決まったTommy Phamなどのベテランが補強の候補として名前が挙がっていました。
またシーズン序盤に先発5番手の起用に苦しんでいたこともあり先発投手の補強も予想されていました。
Dave Dombrowskiの振り返り
トレードデッドライン後に野球部門の最高責任者でありトレードの交渉の責任者でもあるDave Dombrowskiが地元記者たちのインタビューに応じていますのでその内容をまとめます。
▪️Dombrowskiのトレードデッドライン振り返り
・投手の層を厚くするのが1番の優先事項だった
・右打ちの外野手を探してはいたが対価が見合う選手がいなかった
また、Johan RojasとCristian Pacheで十分戦えるとも考えている
・交渉相手からJohan Rojas, Mick Abel, Griff McGarryを要求されたが
放出するつもりはなかった
・Rodolfo Castroは左投手相手の打撃を期待している
トレード詳細
それぞれのトレードについてまとめます。
1. Michael Lorenzen 獲得
今シーズンオールスターにも選出されたタイガースの先発右腕 Michael Lorenzen を獲得。
Caleb Cotham 投手コーチとはレッズ時代から関係があり、またフィリーズが重視しているスライダーが武器の投手ということでフィリーズ側からしても活躍する勝算が高い投手と考えているのではないでしょうか。
Lorenzenの獲得で先発は6人ローテになる予定。
今シーズン不調のAaron Nolaを含む先発陣のスケジュールにゆとりができることで好循環が生まれることを期待しましょう。
代わりに放出したのはMLB公式のチームランク5位のプロスペクトで台湾出身の二塁手Hao-Yu Lee。
シュアな打撃が持ち味で将来メジャーリーグでレギュラーを獲得できると評価されているプロスペクトです。
オフにFAとなるLorenzenの見返りとしては高いプロスペクトですが、フィリーズの二塁のポジションにはBryson Stottがいますので放出可能なプロスペクトではありました。
タイガースにとって美味しいトレードと言っていいでしょう。
2. Rodolfo Castro 獲得
パイレーツからスイッチヒッターのRodolfo Castro内野手を獲得。
Dombrowskiのインタビューでもあった通り、対左投手となる右打席を得意としており通算OPS.900を記録しています。(左打席の通算OPSは.571)
本日8/2にDFAとなったJosh Harrisonの代わりに対左投手との対戦で起用される予定です。
まだ24歳と若く2029年まで保有可能な点も魅力でしょう。
昨年2022年のトレードデッドラインでもベテランではなく長期保有可能なBrandon Marsh, Edmundo Sosaの2選手を獲得しており、トレードデッドラインでも長期的な視野で選手を補強しようと動いていることが伺えます。
Castroの交換要員となったのは昨年先発5番手を務めた左腕のBailey Falter。
今年は開幕からローテーションで投げていましたが不調のため5月にマイナーに降格。以降はAAAでシーズンを過ごしていました。
今シーズンは同じ26歳で左腕のCristopher Sanchezが先発5番手の座を掴み活躍中。
同年齢のSanchezと比べて武器になる球種がなく、若手としても年齢が高くなってきている点がトレードの駒となった要因でしょう。
ぜひパイレーツで武器となる球種を身につけてもらい、また先発ローテーションで活躍してもらいたいですね。
トレードデッドライン まとめ
2023年のトレードデッドラインも現在のフィリーズの方針がよく分かる動きとなりました。
投手はフィリーズのコーチ陣が改良に自信を持っているスライダーを武器とするLorenzenを獲得。
野手はベテランではなく長期保有可能なCastroを獲得。来年以降にも続く動きを見せています。
現在のフィリーズの補強の特徴は「現時点がベストな選手を補強するのではなく、フィリーズ移籍後成績を向上できそうな選手を獲得する」ことだと考えています。
今回のトレードデッドラインも現在のフィリーズの哲学に沿った動きをしたという点で良いトレードデッドラインだったと言えるのではないでしょうか。
あとは実際に成果を残してもらうだけです。
参考文献
▪️トレードデッドライン後のDombrowskiのインタビュー記事