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イマジネーション。

ほんの数年前のことですが。コロナ、と書くと当時はAIがサーチしてきて内容に関わらず注意書きへと誘導するような数年間がありました。トヨタの車とかストーブのメーカーさんとか大変だったでしょうね。管理する側にも相応の事情があったでしょうが、やっぱり僕はショックでした。テクノロジーはこんなふうに使われる。一回プログラムしちゃえばあとはコンピュータが勝手に仕事するから内容なんて関係ないって感じ。そう思えました。中身よりそのワード。

失われた数年間はほんとうに大きく、重く、暗く若手の上に影を落としていると思います。幸か不幸か全員に対してだから相対的に本人たちは気づかない。過年度比較をしている人だけが「これはなんだろう?」と思うくらいの差に気づく。特にその時一年生だった世代は「なぜ自分がここにいるのか」ということについて周りを見ながら考える機会を奪われている。カッコよく言えば自分とだけ向き合っているわけだけど、特に問題もないのに日々自分と向き合いませんよね。楽しいことは自分の部屋の中にたくさんあるんだから。しかし、それは彼らになんの落ち度もないこと。大人が彼らに対してかける言葉を変えていくしかない。

冒頭のことにある問題は、日本語で言えば「言葉尻を捉える」ってことですよね。本質はどうでもいい。その言葉を使っているかいないか。これを逆利用?したAIサーチはエスカレートしているなと思います。前も書いたことあるけど、たった一度すごいディプレッション入ったポストを読んだら、それ以降SNSやってるやつはみんなこんなに病んでるのかと思うくらいフィードに同様の投稿が溢れて。途中で、これは自分のログが解析されているんだなと気づいたものの、あれ、知らない人は病みますよ。

テクノロジーの使い方は、昔も今もそう変わらない。宇宙開発とミサイル開発が表裏一体というのは大人は知っています。そこを分かった上で、何をどこまで進めていくか。そうすると、その時に何をやってよくて何をやってはいけないか、というところは必ず通ることになるんじないかなと思う。いわゆる「魂を売る」という局面をどう乗り切るか。そのためにはいろんなことを瞬時に考えられる知識と強いメンタルが必要な気がします。

コロナの頃にTwitterで見つけた小野雅裕さん。いちばんいいなと思ったのは火星探査ローバーに「忍耐」という意味の「Perseverance」という名前がついていることを教えてくれたこと。火星もそうだろうけど、地球もまさにこれだなあと。

本が出ていると知って買いました。「宇宙に命はあるのか」。今は新版も出ているんですね。

科学者にとって必要なものは、という問いは、文系の自分には想像もつきません。本の紹介するのに答え出しちゃうのはどうかなと思うけど、それくらいではこの本の魅力は終わらないと思うので。小野さんはイマジネーションというキーワードを挙げます。その力がなければ、新しい発見なんかできない。なるほど。昔英語を習った先生が、理系の人の方がロマンチックなんだと言われていて「そうかなあ?」と周りを見て思っていましたが(笑)、お互いさまというか、一流の人の話なんですかね^ ^;

アインシュタインのImagination is more important than knowledge.という言葉は折に触れて見かけますけど、想像ってなんだろうとか改めていろいろ考えますね。

この本の最初のバージョンでは上に書いたパーサヴィアランスはまだ登場しないんだけど、印象に残る言葉があって。それは「自分の目標(野望)のためにどれくらい我慢ができるか」。ちょっと本文とは変えて書きましたけど、大人になるとこのことはとても強く響きます。それくらい選ばれることって難しい。自分が何者かであるなんて思うと大怪我する。そんなこと書いてないんだけど、読んでいて思い当たる。大きなチームで仕事をするというのは、みたいなことまで考えさせられる内容でした。いっそパーツに徹しようと思う方が楽と考えるか、選ばれないかもしれないけどそこを目指し続けるか。それでもそこにこだわりたいと思えるものを自分は持っているだろうか。50代も後半の僕にとっては結果論的に答えがありますけどね。過程の段階で強く思っておくべきだったなあ。

どんなにテクノロジーが発達しても、使うのは人間。使い方を間違えるのも人間。ずっとそうであって欲しいけど、開発者のみなさんは良心回路をつけてくれてるのかなあ。今の感じだと、じきに機械に使われているんじゃないかって不安になりますね。ロボット三原則とかほんとうにイマジネーションのある人だからこそ思いつくことなんだなあと。

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