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Get back to where you once belonged.

去年の暮れに公開されたビートルズのドキュメンタリー映画?映像。

3部構成っていうのかな?まあ一本にするにはあまりにも長いから3つに分けたんでしょうけど、それでも長い(笑)。

いわゆるLet it be セッションからルーフトップコンサートまでの流れを映像で追いかけているのですが、僕は昔公開された「映画」を見ていないのです。で、前からルーフトップの一部始終を見たいなあと思っていたので、今回の映像はまさに願ったりかなったり。

しかし全編バンドの「あるある」を目の当たりにしてる感じ。もう見ていて何度となく胸が痛いというか身につまされるというか。あのビートルズでさえ、自分たちと同じようなストレスに苛まれるのかと。レベルが遥かに違いますけどね^ ^;

バンドをやっていく時にいちばん大変なのは何か。言い方を変えると、バンドをやっていく時にいちばん大切なのは何か。みなさんなんて答えますか?

僕はどちらの問いでも「個の成長」と答えます。アイデンティティとエゴはバランスの邪魔をするけど、これがないといつまでも同じところにいる感じになる。ないと困るし、あるとバラバラの元。

パート1ではポールがみんなのやる気を喚起しようとしつつもメンバーに伝わらない挙句ジョージが辞めちゃう。嫌われ役はさじ加減が難しい^ ^そしてメンバーは思う。俺はお前じゃない。ここの分かり合えない感じ!

辞めちゃったジョージの説得からのパート2では、繰り返される練習風景で、徐々にバンド感を取り戻していく様子がうかがえます。ミーティングの大切さ、コミュニケーションの大切さを実感します。一日中音楽に触れている若い日の彼らであれなんだから、もう僕らの年なら音楽は4の次くらいにしないとダメなんですかね。健康、仕事、家庭。固くなった心と頭はどうやったらほぐれるんでしょうか?

そしてついにルーフトップへ。日々よくなっていく新曲とバンド内のコミュニケーション。ジョージが言う「手が動く」という感覚。わかります^ ^。練習しまくってると突然抜ける時があるんですよね。声もそう。力任せだったのが、急に楽に出るようになる。

残された時間をどう使うかでルーフトップやるやらないが最後まであったとは初めて知りました。やりたくない気持ちもわかる。やりたい気持ちもわかる。

でも、ライブが始まった直後のポールとジョンのあの感じは、あの高揚感とアイコンタクトは、バンドマンはみんな共感できると思います。昔ジョニーさんが「音出しゃ終わるんだよ」って言ってたとおり、あの瞬間を感じたいためにやってるところありますよね。

ルーフトップはいいライブだと思うんですけど、それはやっぱり、ポールのあの嬉しそうな表情が見れるから。声の出方、動き、演奏、バンドはライブやらなくっちゃと思う瞬間です。

終わることを知っているからこそ、終わったことを知っているからこそ、よけいにひとことひとことにいろんな意味をつけてしまうのかもしれません。

曲のタイトルもこれまで意識してなかったけど「元いたところに戻れ」とか「がっかりさせんなよ」とかよく考えたらかなり皮肉な感じですね^ ^

リハーサル風景では新曲はもちろんだけど、過去のオリジナルからカバーまで、もうとにかくいっぱいやる。ジョンもわがままに振る舞うところもあるけどかなり気を遣ってる場面もあり、力関係というか、特にカメラがあるからか?この人はどっちなんだろうと思うところがありますね。

それにしても、そのカメラがあるという時点でどこまでが素でどこからが演技なのか全くわかりません。そういう意味でもタフな環境を前提で彼らが音楽を作っていたという事実を尊敬します。

ここまで書いて来て思う。オレは何目線で見てるんだろう?(笑)

長いけど見応えじゅうぶんな作品です。ビートルズファンはとっくに見てるだろうと思うけど、バンドやってる人は見るといろんなこと思うんじゃないかな。オススメします。






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