ロンロ・ボナペティ|建築×編集

建築ライター・編集者。建築の魅力をたくさんの人に知ってもらいたくて活動する黄色い鉛筆で…

ロンロ・ボナペティ|建築×編集

建築ライター・編集者。建築の魅力をたくさんの人に知ってもらいたくて活動する黄色い鉛筆です。建築の面白さを広く伝える翻訳家になりたい。https://ronro-bonapetit.github.io ←名刺サイトはこちら

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ウェブの時代に建築家が発信することの意味

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 noteをはじめてから、早半年が経過しました。 はじめる前は想像もしていなかった良いことがたくさんあったのですが、ひとつ釈然としないことがあります。 それは…… なんでもっと建築系の書き手が増えないんだろう!? ということです。 これまでの建築とメディアの関わり方の歴史を考えていくと、いまnoteで発信していくことは建築に携わる人にとってすごいチャンスが広がっているんじゃないかと思っていて。 Twitterでこんなつぶやきをした

    • 美大の先生と巡る世界と地球の建築── #教科書に載せたい建築の名文

      上記は、『美大の先生と巡る世界と地球の建築』(岸本章著、彰国社刊)の帯に書かれた一文です。 長らく建築に触れてきた身からしてもハッとさせられる、良い文章だと思います。 建築を志す人が初めに手に取る建築史の本、つまり大学の建築学科の授業で用いられる教科書では、歴史的建造物を地域別に、年代順に並べてその変遷を紹介しています。 またそれらは同時代に流行したスタイル=様式ごとにまとめられ、ある様式と別の様式との違いや、同じ様式のなかでも変容している様子が比較できるような構成になって

      • 書籍編集者が建築ライターとしてコンテンツを制作する上で大切にしていること(と、実績紹介)

        はじめまして。ライター・編集者のロンロ・ボナペティと申します。 建築やデザイン、暮らし系のメディアでの取材・執筆や、テキストに限らずさまざまなアウトプットの企画や編集の仕事をしています。 ざっくり言うと、主に建築分野における独自の取り組みについて、社内/社外とのコミュニケーションをお手伝いしてきました。 編集者としてキャリアをスタートし、ライターとしても活動するようになった経歴から、対内外のコミュニケーションに課題を感じる方のお役に立てることがあればと思い、これまでの実績や仕

        • 日本建築の技のショーケース、田母沢御用邸がすごかった

          こんにちは、建築ライターのロンロ・ボナペティです。 日光ですごい建築に出会ったので、ご紹介したいと思います。・・・・・・日光の建築といえば、東照宮だよね! という方がほとんどなのではないでしょうか? もちろん僕もその一人でした。この「日光田母沢御用邸」を知るまでは。 日光田母沢御用邸記念公園は、大正天皇が皇太子の時代に静養地として造営された御用邸が一般公開された公園です。 さすがは御用邸というべきか、これでもかとリソースが注ぎ込まれた日本建築を堪能することができます。 まず

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        ウェブの時代に建築家が発信することの意味

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        • 教科書に載せたい建築の名文
          5本
        • 建築編集者ロンロが行く
          33本
        • 僕らはこうして建築をスキになった
          25本
        • あの名建築に会いに行こう!
          20本
        • わかると楽しい! 建築の見方
          10本

        記事

          自分に合った家を、自分に合った方法で。住まいを共につくるための勉強会レポート

          どうせ住むなら快適な家がいい。 当たり前だけれど、快適さの基準は人それぞれですし、それを達成するための方法にも様々なアプローチがあります。 自分にぴったりの家を手に入れる方法をどう選べば良いかもわからない、そんな悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょうか。 あるいは多くの人にとって、今後どのような住まいで生活していきたいのか、真剣に考える機会すらほとんどないのかもしれません。 そのような人たちに、家づくりについて共に考える場を提供したい。 そんな思いを胸に、建築家との家づくり

          自分に合った家を、自分に合った方法で。住まいを共につくるための勉強会レポート

          建築家と家をつくった2023年

          こんにちは、建築ライターのロンロ・ボナペティです。 2023年にやったことを振り返ってみようと思います。noteでの発信は全くしなかったのですが、思い返すと色々と動きがありました。 まずなんといっても、 建築家と自邸をつくりました。 仕事で建築と、そして建築家と関わる身でありながら、自分が住む家については無頓着で賃貸の方が身軽で良いかなーと思っていましたが、家を買うことに。 数年前からズルズルと検討を続けていましたが、中古マンションを購入し、建築家にリノベーションの設計

          建築家と家をつくった2023年

          建築を見に行く、そこに社会性を加えてみる

          こんにちは、建築ライターのロンロ・ボナペティです。 ずいぶんと更新が空いてしまいました。 noteを書けていなかった理由の大部分は、お仕事としていただく原稿を書くなかで、書きたい欲のようなものが解消されてしまっているからです。 それだけ自分が書きたいと思ったことを自由に書かせてもらえる機会をいただいていて、ありがたいことなんですが、それでもやはりこうして「自分さえよければ良い」場所で書くのとは決定的に違う点があります。 ロンロさんは、ラジオが好きです。 特にTBSラジオの

          建築を見に行く、そこに社会性を加えてみる

          名建築の横顔~人と建築と〜武蔵野プレイス【転載】

          ※初出「建設の匠(現・建設HR)」より転載 あの名建築は、いまどのように使われているのだろうか? 竣工当時高く評価された建築のその後を取材する本シリーズでは、建築とそれに関わる人びととの関係を探っていく。 2016年の日本建築学会作品賞を受賞した、東京都武蔵野市にある図書館複合施設、武蔵野プレイス。 受賞理由にも集客施設としての成功があげられている本施設は、日々多くの人でにぎわっている。 その背景にはどのような工夫が隠されているのだろうか。実際に訪れてみた。 つい長居してし

          名建築の横顔~人と建築と〜武蔵野プレイス【転載】

          名建築の横顔~丹下健三「ゆかり文化幼稚園」~

          ひとつとして同じ風景のない「こどもの城」 「こどもの城をつくる、それが園舎を設計するときのテーマだったんです」 そう語ってくれたのは教務主任の須藤友紀さん。一を聞けば十答えてくれる応対から、須藤さんのこの建築への愛が伝わってくる。 今回取材したのは丹下健三設計の「ゆかり文化幼稚園」。建築家として乗りに乗っていた1967年の竣工だ。 「『園舎に色は必要ない。こどもたち一人ひとりに色があるから』丹下さんはそう考えたそうです。一般的な幼稚園の園舎には、いろんな色やキャラクター

          名建築の横顔~丹下健三「ゆかり文化幼稚園」~

          名建築の横顔~人と建築と~「駿府の教会」編

          聖書の言葉に集中するための「完璧な空間」※初出「建設の匠(現・建設HR)」より転載 天井から降り注ぐ幻想的な光。 余計な要素が排除され禁欲的でありながらも、木の温かみのある空間。 壁面と天井に並べられた木材の密度を調整することによってのみ、光をコントロールし、季節や時間帯によって多様な表情が生み出されている。 西沢大良氏設計の「駿府の教会」といえば、現代の教会建築の名作として、竣工後11年(2019年当時)が経ったいまでもファンの多い建築だ。 「この教会堂はプロテスタントの

          名建築の横顔~人と建築と~「駿府の教会」編

          文化を乗せて未来へ運ぶ方舟──内藤廣設計「海の博物館」

          船に乗って、大海原へと漕ぎ出す。 目の前を遮るものはなにもなく、ただただ水平線に至るまで、広大な海面がきらめいている──。 そんなイメージを頭に思い浮かべると、不思議と未来へと思考が伸びていきます。 幼少期から繰り返し刷り込まれた、冒険の象徴としての海のイメージもさることながら、地理的な制約から密集度の高い日本の国土利用と開けた海の対比もまたその理由となっているのかもしれません。 いずれにせよ、海にまつわるイメージや文化は、実態としても象徴としても、陸地のそれとはまったく異

          文化を乗せて未来へ運ぶ方舟──内藤廣設計「海の博物館」

          「分解」は建築の生産システム改革の狼煙になるか──能作文徳著『野生のエディフィス』

          「サステイナブル」という考え方には注意が必要である。建設業の関心はいかに持続可能な方法で「建てる」かにあり、建設すること自体に疑問を投げかけるものではない。 能作文徳著『野生のエディフィス』の巻頭テキストは、従来の「環境に優しい」建設のあり方への痛烈な批評からはじまります。 産業革命以来、その負の影響を発展途上国に「外部化」してきた資本主義社会が、ついに真正面から立ち向かわざるを得なくなっている昨今、SDGsをはじめ地球規模での環境問題への取り組みが喫緊の課題となっています

          「分解」は建築の生産システム改革の狼煙になるか──能作文徳著『野生のエディフィス』

          「泊まれる出版社」を立ち上げた夫婦が、建築家との協働の先に見つけた価値と自信

          神奈川県真鶴町──。神奈川県で唯一の過疎化地域とされるその町に、出版事務所を併設したユニークな宿がある。 宿泊とセットで提供されているまち歩きツアーで真鶴の魅力に触れ、それをきっかけに移住した人も40名を超えるそうだ。 若手建築家ユニット、トミトアーキテクチャ(以下、トミト)が設計した「真鶴出版2号店」の建築は、若手建築家の登竜門ともされるコンテスト、SDレビュー2017に入選し建築界でも注目を集めた。 地域の暮らしに新たな影響を生み出すプロジェクトを讃えるROCAL RE

          「泊まれる出版社」を立ち上げた夫婦が、建築家との協働の先に見つけた価値と自信

          地方でのリアルな暮らしを知りたい──メディアを立ち上げた夫婦がたどり着いた地方との関わり方

          さまざまな地域に住む人びとの暮らしを紹介するウェブメディアがある。 ”暮らし”の”視点”で「くらしてん」 ご夫婦で運営されているこのメディア、取材方法が興味深い。 ある地域に住む人に、27枚撮りの「写ルンです」を渡して日々の暮らしの中で撮りきってもらう。後日撮影された画像を見ながらオンラインでインタビューを行い、その人の視点で自らの暮らしを語ってもらい記事にする、という方法だ。 記事は、写真と撮影時の状況を簡潔に説明するテキストで構成されていて、1つの記事を読むとある地域に住

          地方でのリアルな暮らしを知りたい──メディアを立ち上げた夫婦がたどり着いた地方との関わり方

          モチベーションを維持する会社内倒産?──建築界の異端児、創造系不動産のチームマネジメント

          「あなたが応援している会社を教えて」 LINE証券とnoteとのコラボ企画を知り、建築を専門に活動するライターの僕は、真っ先にある不動産会社のことを思い浮かべました。 建築業界と不動産業界は、一見近いようでいて実はかなり考え方が異なります。 たとえば著名な建築家がデザインし、建築的には高く評価されている住宅であっても、不動産業界では「駅からの距離、築年数、広さ」といった画一的な指標で価値を判断されてしまいます。 また不動産的には価値が低い土地であっても、建築家が本領を発揮

          モチベーションを維持する会社内倒産?──建築界の異端児、創造系不動産のチームマネジメント

          建築好きなら読み返したい、2019年のベストnote5選

          令和元年の最終日、いかがお過ごしでしょうか。 今年話題になった建築系のnoteを振り返りたいけど、どんなnoteがあったか忘れちゃったよ~、というあなたのために、この1年間に発表された個人的におすすめなnote5選をまとめました!! といってもやはり面白いnoteほどたくさんシェアされて、すでに読んだという方も多いと思います。 そこで何度読んでも繰り返し発見のあるものを厳選しようと、僕自身ももう一度読み直してみて、改めて面白いと思ったものを取り上げてみました。 寒くてなかな

          建築好きなら読み返したい、2019年のベストnote5選