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『限りある時間の使い方 人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』を読んで。
書籍名:『限りある時間の使い方 人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』
著者:オリバー・バークマン
出版社:かんき出版
発売年:2022年6月22日
2024年2月14日読了
素晴らしい一冊だった。
■未達成タスク山積みの現状
自分は今までにほとんど何も成し遂げてこれなかった。
狙った目標で達成できたことと言えば「大学に入学する」と「バックパッカー旅に行く」くらいであるし、
大学は第3希望、
バックパッカー旅でも当初の予定だった「世界一周」は未達成となった。
今でもやりたいことや達成したい目標は山ほどあって、
それらの達成のためのタスクが山積みになっている。
だから本書でいうように、
タイムマネジメントに躍起になったり、
ワークライフバランスのための解決方法を必死で探したり、
うまくいかないことに気を揉んだりしてきた。
常に「今こんなことをしている場合じゃない」
「早く目標を達成しないとやりたいことを何もできないまま歳を取って死んでしまう」と焦っている。
まさにこの本は自分が出会うべき本だった。
この悩みや焦りが無用であることに気付けたのだ。
■やりたいこと全てを達成できるという希望、理想のパートナーという希望
「生産性を上げればやがてはやりたいこと全てを出来るようになり、いつか理想の現実に到達できる」という希望。
本書では心理学的な視点から、その間違いを丁寧に正してくれる。
認めたくないが、認めるしかない。
「やるべきこと全てを達成することは不可能だし、時間はコントロールできないし、人生は何かを成し遂げられるほど長くない」ことを。
自分はこの、
「絶望して希望を捨て去って初めて本当の人生を歩むことが出来る」
という視点を、パートナー関係の面で既に得ている。
なのでこの心境はすぐに理解できた。
僕はかつて「このパートナーを選ばなければ(年齢的に)もう良い相手とは出会えない」と判断し、今の妻と結婚を決断した。
そしてその決断の結果、今幸せに暮らしている。
この決断は、この先出逢う可能性のある未来のパートナーを全て切り捨てるという痛みを伴った。
理想的な条件、例えば容姿、性格、相性、年齢などを考えたらキリがないのだが、しかしもうその理想、希望のようなものは手に入らない。
パートナーの行動や性格や容姿は自分の思い通りになどなるわけがない。
服装や髪型ですらこちらの理想は全て打ち砕かれる。
ましてや若返らない。
相手がありのままの僕を受け入れてくれているように、
僕は相手のあるがままを受け入れて、現実と直視した。
このことによる絶望に向き合って、飲み込んで、今は穏やかで幸せな心境で居られている。
■希望を捨て去るのは難しいが、それなくして真理へ到達することは出来ない
この「現実を直視して希望を捨て去ることが必要」ということは、きっとあらゆる場面で活きる心理だろう。
やりたいことなのに、いざタスクとなるとやりたくなくなってしまうこと。
今やらないといけないことなのに、なぜかやるべきことを後回しにしてしまうこと。
優先順位を付けられずあらゆるタスクを並行して進めてしまうこと。
これらは全て、「本当は達成できないことを認めたくないから、その現実から逃避している」心境を現わしている。
「希望を捨て去る」ことは、つまり絶望することだ。
自ら絶望し、現実と直視することは容易いことではない。きっとまだ時間はかかってしまうが、この事実を知ってしまったことから既に自分は変わり始めている。
不都合な真実を認めようとしていないことや、うっかり非現実的な妄想に逃げ込もうとしたとき。
その時に本書の真実が頭にポップアップするようにトリガーをかけて、一歩一歩克服していこうと思う。