イデアルの対応定理〈龍孫江の環論道具箱〉
前回,準同型によるイデアルの逆像や像について観察しました.今回はこれを踏まえて,剰余環のイデアルをもとの環のイデアルに対応づけます.
定理(剰余環のイデアルの対応定理)
$${A}$$を環,$${I}$$を$${A}$$のイデアルとし,$${ \pi \colon A \to A/I}$$を剰余環への自然な全射とする.このとき
$${\mathscr{X} :=}$$$${A}$$のイデアルで$${I}$$を包むもの全体
$${\mathscr{Y} :=}$$$${A/I}$$のイデアル全体
とすると,両者の間に包含関係を保つ1対1の対応が存在する.
ここから先は
1,039字
環論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話なども多く取り入れようと思います.購読月中は過去記事をすべて読むことができますので,必要なときだけご購読いただいてもOKです!
龍孫江の環論道具箱
¥400 / 月
初月無料
環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載…
龍孫江の群論・環論道具箱
¥700 / 月
初月無料
龍孫江の群論道具箱・環論道具箱の記事を同時に読める合冊版です.それぞれ購読するよりはお得な価格設定となっております!龍孫江へのご支援を兼ね…
Twitter数学系bot「可換環論bot」中の人。こちらでは数学テキスト集『数学日誌in note』と雑記帳『畏れながら申し上げます』の2本立てです。