単項イデアルの極大条件〈龍孫江の環論道具箱〉
整域がUFDとなる条件について,整数環における「素数」を,素元と既約元の2種類に一般化し,両者が必ずしも同じ概念ではないことを紹介しました.
今回の話を通して$${A}$$を整域とし,$${A}$$の真の単項イデアル($${A}$$自身ではない単項イデアル)の全体を$${\operatorname{PI}~(A)}$$と表します.
定理(既約元の積への分解)
$${\operatorname{PI}~(A)}$$は極大条件をみたす,すなわち
$${\operatorname{PI}~(A)}$$の部分集合$${X \ne \varnothing}$$は極大元をもつ
をみたすとき,$${A}$$の任意の要素$${x \ne 0}$$は有限個の既約元の積に分解できる.□
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