イデアルの積〈龍孫江の環論道具箱〉
単項イデアル整域において,2つのイデアルの和をとる,交叉をとるなどの操作が,両者の生成元の乗法的な性質を反映することを紹介しました.具体的には
$$
(a) + (b) = (\operatorname{gcd} (a,b)),~~(a) \cap (b) = (\operatorname{lcm} (a,b))
$$
などを見てきました.そこで,乗法的演算の最たるものである「積」も,対応するイデアルはないものかと期待してしまいます.
補題(単項イデアルの積)
単項イデアル$${I = (a), J = (b)}$$に対し
$${\{ xy \mid x \in I, y \in J \} = (ab)}$$.□
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918字
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