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生成する部分環〈龍孫江の環論道具箱〉

 1変数の多項式について,根の数などを中心に観察を続けてきました.基礎となる環が整域か否かでずいぶんと様子が異なることを見ましたが,これらを多変数の多項式環に拡張することを考えます.

https://youtu.be/dDJ8U6sZnIo

代入写像の規定

環の拡大$${B \supset A}$$を固定する.$${b_1, \ldots, b_n \in B}$$に対し,準同型$${\Phi \colon A[X_1, \ldots, X_n] \to B}$$で

$${a \in A}$$に対し$${\Phi(a) = a}$$
各$${t}$$に対し$${\Phi (X_t) = b_t}$$

をみたすものがただ1つ存在します.構成法は,代入原理を繰り返し利用して行います.

定義(生成する部分環)

多項式$${f(X) \in A[X]}$$の像$${\Phi(f)}$$を,$${f(X)}$$に$${b_1, \ldots, b_n}$$を代入した値といい,$${f(b_1, \ldots, b_n)}$$のように表す.また

$${A[b_1, \ldots, b_n] = \Phi(A[X]) = \{ \Phi(f) \mid f(X) \in A[X] \}}$$

を$${A}$$上$${b_1, \ldots, b_n}$$が$${b_1, \ldots, b_nという.□

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690字

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