準同型の経由〈龍孫江の環論道具箱〉
前回,いよいよ剰余環を構成した.前回までの話は,そもそもの動機づけを準同型(が導く同型)に持ちながら,どうやって他の環との関係を切り離し独立させていくかが問題でした.今回からは逆に,他の環との関係のなかで剰余環を位置づけていきます.その準備として,準同型同士の「経由する/される」との関係を導入します.
定義(準同型の経由)
準同型$${f \colon A \to B}$$,$${g : A \to C}$$を考える.準同型$${h \colon B \to C}$$で$${g = h \circ f}$$なるものが存在するとき,$${g}$$は$${f}$$を経由するという.
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704字
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