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ブラック、グレー、いつかはブルー 5

〜社畜は鬱になって、生き直すことに決めました〜

4回目を終えて、悪夢を見た。
ちなみに現在はこの中に出ている会社を退職して2年が経っているので、いわゆるフラッシュバック的なものだと思われる。
しかし続けるのだ。


「どんな無理難題をふっかけてもどうにかする奴」への道を邁進し始めた二十代の私。
そもそも負けず嫌いな性格の私は、与えられた仕事をこなしきれない、という状況が気に入らず、ただひたすらに仕事に打ち込んだ。
すると、やればやるだけ成果はあがり(そりゃそうだ)、先輩後輩問わず信頼を勝ち取り(多分)、仕事の鬼と言われるまでに。
当然(?)休みは無いのだが、そんな状態もアドレナリンが出っ放しなのでなんのその。

が。
そんな私に転機がやって来る。
一生懸命働いても、まったく認められない時期の到来。
言い換えるならスランプ。
そしてスランプのさなか、さらに理不尽な出来事が降りかかる。

ある日、後輩の男性社員が社長と揉めた。
呼び出された後輩社員は、ひどく荒れていて、いきなり荷物を持って扉をバーン、と開けて会社を出て行った。たまたま事務所で一人だった私は何が起こったのか分からず、呆然と彼を見送るしかなかった。
すると社長が怒り心頭であらわれた。

社長「○○(後輩男性はどうした?!」
私   「い・・・今、出て行きましたが・・・」
社長 「お前はそこにいて、どうして止めなかったんだ!(超怒声)」
私 「え・・・」
社長「お前は本当に自分のことばっっっかりだな!」

社長の口癖。
「お前は自分のことばっっっかり」

ば、と、か、の間に力を込めて強調するのが癖。
これをやられると、マジでムカつく。
自分のことを考えるのが、なぜ悪い。
と言うわけで、理由もわからずあっという間に飛び出した後輩の代わりに浴びせられる罵詈雑言の嵐を浴びた。

ある日には、すでに20代半ばの私が面倒を見ていた10代のバイトの子との間で、こんなことが起きた。
そのバイトは確かに頭のいい子だった。
しかし、私が言わない限り自分から動こうとしない性質だったのだが、まだ若いし、フォローしてやるべきかな、と思った私は指導を続けていた。
しかしそんなバイトは、どうしたことか社長にえらく気に入られていた。
ある時社長は非常に軽く、飽くまでも軽いタッチで取引相手に、こう言ったのだ。

社長「この子(バイト)は、△△(私)より優秀ですから」

私、休みなく働く20代半ばの正社員。
バイト、大学生。週2日出勤で私任せ。

取引相手は、引きつっていた。
私は、引きつりながら、笑うしかなかった。
社長とバイトだけが満面の笑み。


「どんな無理難題をふっかけてもどうにかする奴」は、「どんな無理難題をふっかけても、どんなに馬鹿にしても構わない奴」に昇格したのだ。

(ここまで、ただの「私可哀想なんです的な話」が続いていて鬱陶しいかもですが、これらは大事な跳び箱のロイター板の役目をすることになるので、もう少しだけ頑張って読んでいただけたら嬉しいです)

ちなみに例のバイトは、期待を背負いまくって、これから正社員になって働いてもらおう、と社長が思っていた矢先、結婚してあっさり辞めた。


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