憂鬱なホテルづくりと、その克服方法
6月末、またハンコを押してしまいました。
新しいホテル計画の着工サインです。
1年以上前からずっとペンディングになっていた計画も、いよいよ動き出します。
工事の始まりは7月から。
開業は12月を予定しています。
じぶんにとって、ゼロから宿泊施設をつくるのは3度目になります。
アドバイザーとしてチームに加わったり、既存の施設をリノベーションする案件を含めると、5度目になります。
今回も場所は、金沢市ですw
大好きだぜ金沢市
せっかくなので、このホテルの立ち上げに起こるストーリーを、noteにダイアリー的に記録していこうと思います。
立ち上げが楽しいのは最初だけ
最初は楽しいんですよ、何でもそうかもしれませんが。
まだ差し迫って考えなければならないことが少ないからです。
主にお金のことですが。
こんなデザインのホテルにしよう、
マーケティングは、こうで
名前はこうしよう。
設計士や会社のメンバーで、あーだこーだ妄想している時間が一番楽しいかもしれません。
まだ開業してないのに、うまく行ったら次はこれだね、なんて。
しかし当たり前ですが、次第に現実が迫ってきます。
銀行との繰り返される折衝。
設計事務所との調整。
確実にオーバーする予算。
理想通りに進んだことが一度もないので、「またこの苦しみがやってきた。今回も仲良くしようぜ」と腹を括ります。
それでも物事がうまく行かないことへのストレスと、大きな借金を抱えながら突き進むことへの不安は相当です。
そんな辛い時は、いつもマーケットを想像しています。
じぶんの事業がうまくいくかどうかって、当然じぶんたちの力量もありますが、それだけじゃない大きなマーケットの力もあると思っています。
むしろ、マーケットの方が大切だとも思っていて、たいして力量がなくても川上にいれば自然に川の流れに身を任せ、遠いところに行くことができる場合もあると思います。
ぼくらはホテル事業なので、ホテルのお客様は基本的には旅行者です。なので、今後旅行者がどれだけ増えるか想像するわけです。
この図は、日本を訪れる訪日外国人数の実績と今後の予想です。(ざっくりですが)
ご存知の通り、いま日本にはとてつもない数の外国人が旅行に来ていて、10年前と比較すると、ホテル業界の見える景色がずいぶん変わりました。
ただ、個人的にはこれはまだ序章で、今後10年でさらに増えていくと思われます。2030年には6000万人ですからね、現在の2倍以上です。
ホテルのお客様である旅行者が安定して伸びているマーケットでビジネスを行なう。
最高の精神安定剤です。
辛い時、苦しい時は、いつもこの図を頭に浮かべていますw
※
6月25日のダイアリー
昨日、現場を見に行きました。
解体が終わったばかりで、さながら廃墟です。通路には、大きな穴が空いています。
あと4ヶ月後には、この建物が綺麗になってお客様を迎えるとなると、身が引き締まりますね。
やりきります。