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【窓のない部屋で部屋を見る】アレック・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館


アレック・ソスの展覧会が写真美術館で始まった。

何か代表的な一枚に惹かれた好きなアーティストだから、というのではなく「室内の写真」という展示テーマに惹かれて見に行った。

この前の期間に行われていた「見ることの重奏」でも室内の良い写真があった。
窓際のカーテンがはためく写真。
実際はミニチュアの室内を撮った作品だったが、あれも面白かった。

写真美術館独自企画というのにも俄然、期待感が高まる。

概要

本展「部屋についての部屋(A Room of Rooms)」には、初めて出版されたシリーズであり、初期を代表する〈Sleeping by the Mississippi〉から、今秋刊行の最新作〈Advice for Young Artists〉まで出品されます。30年に及ぶソスの歩みを単に振り返るのではなく、選ばれた出品作品のほぼすべてが屋内で撮影されているように、「部屋」をテーマにこれまでのソスの作品を編み直す、当館独自の試みとなります。

東京都写真美術館より


基本的にはカラー写真が大多数。
どことなく被写体の力が抜けている写真は見ている側もちょっとリラックスできる。

耳にニンジンおじさん。

こういうとぼけた様子を皆まじめに物知り顔で見てる状況が面白かったりする。

タオルスワン


良い表情なのです。

見慣れた西新宿の街

やはりどこかで見た風景というのは作品になっても惹かれるところがあり、
今回だと西新宿の写真に「おっ」と思った。

西新宿の街。


ソスがパークハイアット東京に宿泊していた時、部屋から初台方面を撮った写真。
西新宿小学校や都営バスの車庫付近がよく写っている。
実際歩くことがあるのでよく分かる。

パークハイアット東京は現在休業中

旅先の宿泊先から窓の外を眺める。
こういう時間ってなんだかよくわからないけど記憶に残っていたりする。
何か物語がありそうな、なさそうな、そんな写真。

最近、来場者数がすごい写真美術館


実は10/1に子供連れで「いわいとしお×東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ」展に行った。
その際、写真美術館へ通い始めて以来の大行列に巻き込まれてしまった。
いやー…驚いた…100階建ての家ならぬ地下1階から3階までの行列

某都知事の時に財政難になって幾年月…福原さんが一生懸命立て直してようやくここまで来たか!と思ったが「あ、都民の日無料デーか!」という訳である。
いや、都内小中学生は元から無料だからこの日に来なくても良いのだけど、学校休みだとね…じゃぁ行こうかとなるよね。
入場まで40分待ち。とはいえ「母さん並んでいるから、あんたたちは3階のコレクション展見て時間つぶしてな」と送り出したら「マン・レイあった!」「海の写真が良かった」と帰ってきた。
待ち時間を有意義に過ごせたようで良かった。

触れる展示が多くて皆楽しんでいた。
実は90年代の写真美術館は地下展示室が常設展示で、所蔵品のこういう触れる展示やカメラの仕組みの道具を常に展示していたのだ。
今回の展示はそれを思い出して1人懐かしくなっていた。当時は誰もきてなかったけど、今は人がいっぱい楽しんでいる。



さて、今日は大丈夫だろうと思ったら、甘かった。
アレック・ソスご本人のアーティスト・トークの日だったようで整理券を求め開館前から並んでいた朝イチの集団に巻き込まれて、展示室がすごい人だった。

いつもほどよく空いている夜間開館に訪れているおかげで驚いたが、連休の初日だし、閑古鳥の鳴いていた昔の写真美術館を思うとこれは良いことだと思う。
でもやっぱり行けるなら、木曜・金曜の夜間開館に行こうと思う。土日はその日しか来れない人に譲ろうと思う。

立ち姿が素敵なひと
窓を眺めるインコ

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