【いつまで眺めていられる写真とは】アーティゾン美術館 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
いつまでも眺めていられる写真、とは。
面白い試みだった!
特に柴田敏雄氏の作品に惹かれ、ずっと見ていられるなと感じる。
特別な風景ではない、どこかで見た事がある景色。工事中の山肌や水が流れる場所。
特別な観光地でもなく、その撮影場所が写真のタイトルになるのもまた、良い。
だが、ありのまま、そのまま写されているはずなのだけど、また違うものに感じる。
人間の目、目から繋がる記憶ってなんだ。
ただ写す。と言う事が実はとても難しい事なのではないか。
今回の展示だと円空の仏像とダム的な写真の対峙が最高に面白かった!
写真の中に円空のパーツを見てとることができ、「あ、そのコンクリの形ね、頭のそのね、削った部分ねぇー!わかる!」
よくその場面、形を土木の中から見つけてきたな、と。
そしてそれをアンサーとして円空の前に出す、って最高のユーモアだな、と。
円空の仏像の笑顔も、そのユーモアを理解しているかのような素晴らしい笑みだった。
あの笑顔、ずっと眺めていたい。