【その手元にある展覧会チラシも】エフェメラ:印刷物と表現 関連イベント 冨井大裕|「経験をみること」 慶應義塾ミュージアムコモンズ
iPhone上であることは確か。
どこでこの展示情報と接触したのか(アドなのかオーガニックなのかwebサイトなのかSNSなのか)覚えがないが、なぜか慶應義塾ミュージアムコモンズ、通称KeMco(ケムコ)の公式webサイトに辿り着き、彫刻家・冨井大裕氏のトークイベントに申し込みをしていた。
この出どころの覚えのない情報で自らコンバージョンを生み出してしまったことに若干そわっとした。
実家の母から「どこで購入したか覚えがないけど、このコップ気に入ってる」という話を聞くような感覚。
でも偶然の出会いなんて出どころのわからないのが面白いのかも知れない。
展覧会概要はこちら
エフェメラとは?
どこに焦点が当てられるのか
で、今回の展示は
上記のように印刷物をテーマに展示を行なっているが、グラフィックデザインの側面としての展覧会ではない。
印刷物「そのもの」の役割の話となる。
エフェメラについての面白さはこの動画をみるのもおすすめ。
コロナ禍に配布された飲食店安心マップ、なんかも30年経てば立派な社会資料になるんだろう。
とこういう展覧会のイベントの一環で、印刷物に纏わる作品を発表している彫刻家の冨井大裕さんのトークイベントが行われるという。
冨井大裕さんといえば…
東京国立近代美術館に作品が収蔵されている現役の彫刻家である。
作品はこんな感じ
2023年夏、栃木県立美術館で開催された個展のレポはこちら
この視点が大好きで、今回も面白い話が聞けるのではないか、と参加してきた。
あと、作品をみるとつい笑ってしまうだけども、その解釈でいいのかなー?と作者の人となり、スタンスを知れれば、迷いなく笑えるな、と。
関連イベント 冨井大裕|「経験をみること」
トークの内容を忠実には書き起こすつもりはないので、私の視点で面白かった点を羅列していく。
タイトルにあった「経験」と「みること」の導入。
印刷物と「経験」とは
なるほど!となりグッと話に引き込まれた。
持ち帰ったフライヤーへの思い入れは確かにあり、印象の強かった、自分自身に影響のあった展覧会のフライヤーは紙の質感や匂いまで鮮明に覚えている。
ちょっと笑ってしまったが深く頷いてしまった。
誰にでもある経験として共感しつつも、それを言語化したものに遭遇していなかったので新しい視点をもてた。
冨井さんと印刷物と彫刻
印刷物と彫刻の接点に思いを馳せる。
つい立体と平面、と考えてしまいがちだがそうではなく。
印刷物と彫刻作品
冨井さんの作品をご本人から解説してもらう。
印刷物から作る彫刻作品。ここには紙の質感も大事になってくる。
様々な形が生まれるが、冨井さんの中のルール、印刷物の文字は読める状態で立体にしていく。デザイナーが構成したであろう画面をまた冨井さんが別の形をつくっていく。
その質が、色の感じが、紙の匂いが、インクの匂いが…から新たな形を生み出す作品とわかると「面白い形」と捉えられる。
笑顔を交えながら、心底楽しく制作している話を聞いて、「あ、この彫刻家は本当に楽しく作っているのだな」と思ったし、作品を見て笑っても大丈夫そうだ。
そして何より、印刷物に対する愛がすごい。トークの冒頭で「印刷物でビールが飲める!」とも話ていた。好きのパワーはどこまでもポジティブだ。
慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)について
施設概要を見ると主に在学生向けの施設。
土日祝日が休みなので訪問の際はお気をつけを…。
では、マイベスト・エフェメラは何か
という訳で、東京都現代美術館の開館年1995年ぐらいから30年分の美術展チラシが手元にある。
いつか、「マイベスト・エフェメラ」とかテーマにnoteを書きたいものだ。