【三角地帯に集うアート】プレイプレイアート展 ワタリウム美術館
2023年6月16日 快晴
外苑前にあるワタリウム美術館。
学生の頃はよくサボりに寄り道していた美術館だが、一度チケットを買えば会期中何度も行ける、というのが嬉しくて、ことあるごとに覗いたものだ。
会期中パスポート制は現在も健在である。
今回はワタリウム美術館のコレクションの中から、テーマをプレイプレイアートと題して展示。テーマがテーマだけに、クスッとしてしまうものや、賑やかな作品も。
ここの私的目玉は、やはりビデオアートの父、ナムジュン・パイクの作品が動的保存できている事だろう。
2000年代初頭、テキスト系Webサイト(インターネット老人会用語)で流行ったロボットみたいなのもある。
なんかこれ、懐かしいな。いや、パイクの方がずっと先なんだけど。元ネタはこれだったのかな。
コンセプチャルアートや、ミニマルアートの名品を揃えるワタリウム。
作者がワタリ画廊時代に個展を行っていたりと直接的な繋がりがあるのも魅力だ。その美術館ならではのエピソードを持っていたりもするのでただの作品解説に終わらない話が聞ける場合もある。
今回、一日3回行われているギャラリートークでは、その場ならではの話が聞けるので時間が合えばぜひ参加をおすすめします。
今回15時からのオラフ・ニコライの解説を聞いてきた。
99年に来日した際、桜の時期だった日本の花見の習慣に興味を持ったオラフは上野に花見の写真を撮りに行く。
ところがそこにあったのは…
路上生活者のブルーシートのコミュニティ。
オラフはその光景を作品とした。実際の写真を手に取って見ることができる。
99年ごろの上野、東京都美術館の赤レンガが写っている。その裏手に広がるブルーシートのテント。あぁ、かつての上野ってこうだったな、と。整備という名の排除が進んだのはいつ頃だったのだろう。
この作品は99年「エンプティ・ガーデン」展で展示された、との話。
あ、私、その展示観てるわ…
流石にどの作品が出てたか、までは全て覚えておらず、オラフの作品の印象は無かった。しかしよく覚えているのは、その場で盆栽の写真のジャケットのシングルCDを貰ったことなんですよね。あれー?これはラフォーレミュージアムで貰ったのだっけか?いや、ワタリウムだったはず。
なんか面白い、洒落た音楽が入っていた。
オラフの弟のカールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)の作品だったのだろうか?
シングルCDを聴く機器も無いのでそのCDはどこかへ行ってしまったが、思いがけず懐かしく話、当時の話をスタッフの方から聞くことが出来て嬉しかった。
今回展覧会で話題になっている作品は、リボーンアート・フェスティバルで展示された、小谷元彦の彫刻作品「サーフ・エンジェル」の展示なのかもしれない。(キービジュアルもそうだし)
でもそれだけではない。
この美術館が30年以上(画廊時代を含めると50年!)、私設美術館として続けてきたアート活動のアーカイブは見逃せないのだ。