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【幻の扇風機と大阪で再会】 デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン 大阪中之島美術館


展示範囲はそこまで大きく広くはないのだが、非常に見ごたえのある展示内容に終始ワクワクしっぱなしだった。

今回の展示趣旨はこちら。☟

開館1周年を迎えた大阪中之島美術館の活動の両輪であるアートとデザイン。この2つを併せて並行的にご紹介する初めての展覧会です。

大阪中之島美術館ホームページより

アート、デザインどっち?の投票システムが展示室内、作品の前にあり、最初は物珍しくてその機械をいじっていた。
が、途中から見ることに集中したくて投票機械を無視するように見ていた。
見ること以外をさせるのって美術館ではなかなか難しい気もする。
私個人としては、ぶっちゃけ、アートだろうがデザインだろうがどうでも良いのかな?という結論に至ってしまった。
でも企画も視点も面白いし、自然と考えながら見ることができるのかもしれない。子供と一緒だったら、すごく楽しむだろうし、参加型にすることで飽きずに見ることができそうで、よいなとは思っている。

さて!今回のハイライトは…


赤瀬川原平さんの「風」だろう。
発表自体は60年代だが、1985年再制作の品。
これ!!東京都現代美術館の所蔵作品であり、過去20年の間に一度だけ常設展示室で会ったことがある。多分まだ私は20代だったはず。
その際はちゃんとスイッチが入ってブーンと動いていたんですよ!!
めっちゃシュール。
梱包された風がね、こう、届かない、という。
扇風機は必死に首振りをしているというのに。

さすがに家電製品を紙で包んでスイッチを入れるのはショートして発火の恐れがあるでしょうからもう動かせないと思うのですけども。

ずーーーっと東京都現代美術館での展示を待っていたら、まさかの大阪中之島、こんなに遠くで再会するなんて思ってもいなかった。
HP上の出品リストにも名前がなかったので展示室で鉢合わせした瞬間
「???」
となってしまい右往左往してすごい挙動不審な鑑賞者になっていたと思う。実際、監視員の方にちょっと背後に立たれた気がする。

今回はガラスケース内の展示で、もちろんスイッチは入っておらず。
コードの部分は裏で丁寧にまとめられていた。
コードは梱包されていなかった。

え!なんであなたがここに?!?!
動いてないけども、扇風機じゃないですか!
東京都現代美術館で再会する前にまさかの大阪で再会


うぉー久々!元気にしてた?!という気持ち。思いの外クラフト紙の変色がなく、紙の質感も古くなってないなぁという印象。これから変わっていくのだろうか?それとも外に展示される機会が少ないとこのように変色、退色は進まないのだろうか。

しかも今回更に熱い展開なのが、「風」のお隣には豊田市美からきていた中西夏之氏のコンパクトオブジェ。

この配置やべぇですから。
これも状態が良い
舐めたやつとは別かな。



その背後には撮影禁止だったがこちらも豊田市美からきた高松次郎氏の紐の作品が…。

ハ、、ハイレッドセンターが揃ったーー!!

ちょーっとこれは胸熱ではないでしょうか。
今回の企画展の趣旨で見れると思ってなかったお三方。HPの出品作者名にも記載がなかったので完全な不意打ちでした。

今回の大阪行きは完全にオプションでなんなら京都国立近代美術館に原平さんの作品が出てるから見る&古寺巡礼の影響で広隆寺行く!ってなったのが最初の動機だったのだ。

オードブルがいきなりメインディッシュになってしまった!

第一展示室全景
0円札もあったよ!

【関西コレクションの方向性】

他にもお馴染みの現代美術作家さんの作品でも大阪にあるものはちょっと一捻りあるのがすごく面白い。
三木富雄氏の「耳」なんて東京ですと現代も近代も府中市美もアルミや無地なのに、大阪中之島所蔵品はバラ模様だったのですよ。もうびっくり。薔薇バージョン初めて見ました。

名和晃平氏のセルの作品もね、バンビではなく羊が飾ってあり笑いましたね。これは和歌山から来ていましたが。

だいぶ印象が違う

この関西圏の現代美術のコレクションの方向性。関東とは違う感じはやはり現地ならでは。
ここまで遥々見にくる価値はあります。
同じ作家でも全く違う一面を見せてもらえます!
関西圏で行ける方は是非見て頂きたい展示です。

当然、図録の購入。旅の始まりなのに鞄がクソ重くなるというお約束をしでかした。
ホクホクで後にした大阪。この後京都へ。


図録制作をしているデザイン会社さんのnote記事がありました。面白い〜

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