【おーーーい】ハニワと土偶の近代 東京国立近代美術館
物心ついた頃からテレビでハニワが喋る教育番組が放送されていた世代である。
今年度の展示予定を見て「なぜハニワ?現物そのものは博物館管轄では?」と思ったがなるほどこういう切り口だったのか、という展覧会。
東京国立博物館(東博)でも特別展「ハニワ」が控えているのでコラボというかフィーチャリングというかそんな位置づけかもしれない。
展示品は東博からも多数。
近代得意の時代考証的展示。資料がおもしろかった。
何より一発目に国立近代の発掘調査現場写真もってくる。まず、その写真に惹かれた。
掘り返される近代美術館。
面白かった作品・資料
第一室に掛け軸のような大きめの作品。
素朴な絵だなぁと思ったらなんと蓑虫山人。
おぉおお!ここ、近代で再会とは!
府中市美で出会って好きになった作家である。↓
どこの美術館が持っているのだろう?と作品リストを見たら「弘前大学 北日本考古学研究センター」。うむ…青森からはるばるやってきたのだ。
第一室のハニワの絵も良かったが第2室の道具の羅列も面白かった。
今で言う
「人気キャンパーの持ち物一覧」
「ファッションエディターのバックの中身」
「旅インスタグラマーのパッキング術」
「お弁当インフルエンサーの選ぶ台所道具7選」みたいな、「蓑虫山人持ち物一覧」。
何かのハウツー的な図にどうしても惹かれる。
その図に縄文土器やらなにやらが紛れているのだが。
やなせたかし氏の寄稿
この資料の文章を読むと、やなせたかし氏が子どもの頃、1924年頃に高知へ移り住んだと言われているのでそれまでの期間の思い出だろうか。
東京国立博物館は1872年からある…やなせたかし氏が4,5歳だとしたら東博が開館50周年ぐらいか。横山大観が「生々流転」を東博で発表した頃だ。(展示した翌日に関東大震災が起きたと聞いている)
機関誌の発行年数は1961年。アンパンマンが生まれるより前の時代。
だけど子供の頃は「茶店のアンパンとラムネの方に感動」と書いてある。
いや、この記述みつけた近代の人、絶対アンパンのところ見せようと思ったよね?やなせさんとアンパンの組み合わせ狙ったよね?
とニヤニヤしながら資料を読んだが、やなせさんが描く東博の挿絵には、現在正面にドーンとある池がない。
なんか芝生の広場になっているな。
芝刈りをしている人まで描き入れられている。
おや?ということはあの池はいつできたのか。
ハニワ以外の話が気になり始めた。
途中から脳内BGMがレキシになる
縄文土器の話や「縄文vs弥生」の話、建築関連の話が出てきたあたりから脳内にずっと「♪縄文土器 弥生土器どっちが好き?どっちも土器〜♪」と流れ始めた。
しかし「縄文vs弥生」論争って何やねん?と。
時代で対立したって意味ないというかなんかそんなことが論争になってた時代があったのか、となんだかちょっと呆れてしまった。
そしてミュージアムショップに「レキシ」のCDが売られていた。まじかよ。
我が家は長男が「レキシ」好きでツアーグッズの光る稲穂を欲しがっていた。
石元泰博さんの桂離宮の写真
なぜ、このテーマで桂離宮の写真が展示されていたのかはちょっと失念したけど、そうそう、この写真の撮られた場所を見てみたい!と思って先日桂離宮に訪れたのだ。
石元泰博さんの写真作品自体は撮影禁止。
しかし「蘇鉄山脇より御腰掛に導く飛石道(前期のみ展示)」は先日歩いた「あ、あそこだな」とわかる写真であり、1954年の撮影時より変わらず現代にも通じていることが見て取れて嬉しかった。
堀り出しに戻る
で、最後のコーナのタイトルが
「3章 ほりだしにもどる」。
ダジャレじゃないか。
ここに「おーい!はに丸」のコーナーが。
第一話のダイジェストが流れていた。
あぁ家型ハニワから出てくる感じ、思い出したぞ。懐かしくてひっくり返りそう。(というか、この展示が近づいてくると隣が「お〜い!はに丸〜♪」とか「はにゃ?」とか聞こえ始めるからもう気になって気になって仕方なくなってくる)
我が家の縄文土器
昔、縄文土器ってクッキーみたい、という赤瀬川さんの記述を見て、なるほどー!となって縄文土器クッキー型を手に入れて焼いたことがある。
子どもたちにも好評で小さい頃はよく「縄文ドッキー作ろう」と誘われた。
長男はホワイトデーのお返しに縄文土器クッキーを作ろうとしてたことがあったので、それは止めた。
ハニワクッキーも作れるかも知れない。
クッキー型はこちらからどうぞ。
面白いクッキー型がいっぱいある。
思ったより、社会派なハニワ
思ったより、社会派な内容、資料展示盛りだくさん。
美術展というより博物学と社会学寄りな今回の展覧会。
資料をしっかり読むならば時間が必要である。
そして昔の印刷物は字が小さい。
幸い近視ではなく、この歳まで裸眼で生活してきたがそろそろ老眼必須か?と気が付き怯え始めた。
作品リストに資料名は載っていないので気になるものはメモや写真を撮っておくのがおすすめ。