【言わざる】坂本龍一|音を視る 時を聴く 東京都現代美術館
多彩な顔を持つ坂本龍一。
ある人は作曲家と思うだろうし
ある人にとっては俳優かも知れない。
またある時はタレントとしての一面が強く印象に残っている人もいるだろう。
美術側から見ると、現代音楽家の側面が強くなる。
「なぜ美術館で坂本龍一なのか」と思う人もいるかも知れない。
以下概要
生前から企画されていた、という。
今回の展示を見て、展示最後の作品、岩井俊雄氏との作品のような物を望んで来た人はちょっと戸惑うかも。
ダムタイプとの作品、カールステン・ニコライとの作品はボーっとずーっと見ていられる様な作品だった。
ダムタイプ 雨音
水滴が落ちてくるだけ。
なのだ。言ってしまえば。
でもその重力に逆らわず水の粒が一定の高さからポツンと落ちてくるだけなのにどうして見つめてしまうのだろうか。
その音に魅力を見出してしまうのか。
音階という概念がまだ無かった古代の人間も同じ音を聞いていた可能性がある。
人間最古の音楽って「打」の音なのでは無いかと思っている。水が水を打つ音から耳の鼓膜まで届く音って何も変わってないのかも知れない。
中谷美紀が歌った「雨音」を思い出した。
見学後、二階のサンドイッチでもピアノ版が流れていた。ピアノ版ではなく「opus」という曲を中谷美紀が「雨音」としてカバーしたのか、と初めて知る。
※ドラマ「ケイゾク」の主題歌「クロニック・ラブ」のカップリング曲。そのCDジャケットで中谷美紀が着てたヨウジヤマモトのニットドレスが素敵でね…「身体の夢」展で本物が展示されたのを見て感激した思い出がある。
カールステン・ニコライ
そうか、彼とも。
うっすらワタリウム繋がりなのかも知れない。
カールステン・ニコライはドイツの方で90年代終わり頃ワタリウムの企画展に参加していてその名を知った。確か、兄弟がいる。(※オラフ・ニコライ(兄)も芸術家)
今回、映像と音の組み合わせがすごく心地よく…気がついたら3周していた。
坂本龍一氏の生い立ちに纏わる展示室
実は、私の通った学校の大先輩でもある。
勿論世代はかなり離れている。
その学校が何周年かの記念誌を発行する際、氏に寄稿をお願いしていた。ちょうどPTAとして母が関わったかなんだかで「インタビュー答えてくれたわよ、なかなか厳しいこと書いてあったけど」と言っていた。あまり良い思い出は無かったのだろう。
今回の生い立ちのコーナーからその辺の時代を感じとることができ、ああ、そりゃああいう回答になるよな、と思った。
(出身校にはもう1人著名な人物がいるせいか、そちらにスポットが当たる事が多く、今まであまり気にされてなかった様子)
先日、鳩展を見に来てくれた方の中に坂本龍一氏と高校の同級生だった、という方がいた。
自分達の時代とは全く違う都立高校の様子に「へぇー」と思ったものだ。某元厚生労働大臣とまで繋がっていた事も面白かった。
そんな1ページも、文献の展示があり知る事ができる。
先日聞いた話と、文献の内容がピタリと重なり、そこからなぜもの派方面に興味関心が移っていったのか、なんとなく腑に落ちた。
そしてこの辺の話に繋がっていく↓
他、展示風景
2025年
さて今年も始まった。
31日半額で売られてた焼き芋で作った即席・栗きんとんがホームラン級に美味くガッツポーズした正月。
柔らかく「見たいものを見たい気分の時」に観に行きたい所存。24年末の投稿にも書いたが最後までカウントはしないでいく予定。
今年はどんな展示や作品と出会えるだろうか。そしてどんなことを想うのか。
実は坂本龍一展は12/27に訪問していたが1/3にも訪問した。
新年一発目は東京都現代美術館になった訳だ。
馴染みある、好きな美術館、開館30年を迎える場所で年明けを過ごせる歓び。
本年もよろしくお願いします。