【シンプルに捉える】中西夏之:1962〜2011 SCAI PIRAMIDE
中西夏之氏の作品がまとまって10点ほど出ている。今なぜ?と思いつつ。六本木へ行ってきた。
紫の絵のシリーズと、コンパクトオブジェ、弓のシリーズが出ている。
概要
ギャラリーの展示といえど、多摩美大の教授・光田ゆり氏が寄稿、解説をしている。
やっぱり氏の評は難解だーと思いつつ、懸命に読む。難解ではあったが、なんとか噛み砕けるギリギリのところ。この文章を書けるのがすごい。
このギャラリーは赤瀬川原平氏の写真展のときも、非常に豊かな文章を掲示していた。
無料の展示でこの解説や評を読むことができるのはありがたい。気軽に谷中の本家・銭湯ギャラリーまでは行けないけれど、SCAI THE BATH HOUSE関連の作品が分館的な六本木で観れるよさよ。
さてこの時期になぜ未発表も含めた作品が出ているのか。ちょっと気になったので係の方へ尋ねたところ、ご遺族の方からの委託ということだ。
ここのギャラリーでは図録も発行している。
今回の展示用図録は無かったが、過去の図録の存在を尋ねたら大変親切に在庫を紹介してくれた。
今回は結果的に中西さん生前最後となったこのギャラリーでの個展の図録を購入。展示されていた絵も掲載していた。
そして展示品のコンパクトオブジェの話になりつつ、先に行われたの森美術館「私たちのエコロジー」展の話題に。
あの時出ていたコンパクトオブジェは親族の方からの借用品だったそうだ。
あのコンパクトオブジェを作った経緯の話を教えてもらったが、やはりエコロジーの文脈からは遠かった。
作家亡き後、作家の意図とは別の、展覧会の意図に沿わせて作品が展示されてしまうのもなぁ…展覧会の闇だよなぁ…なんて思いながら自分もそうしたキュレーションの中に組み込まれてるんだろうなとも思う。
世の中の状況で捉え方、受け止め方も変わる訳だしそれも美術作品の宿命といえば宿命なのだな。
キャプション、解説はあくまで一見解に過ぎないのだから「文字を見て絵を見ず」よりまず自分の目を信じてみればよいな。
…そんなこと、文字の読めなかった子供の頃してたじゃないか。
シンプルに考えよう。