【若冲ゲシュタルト崩壊】江戸絵画の華 出光美術館
2年前に延期になった企画展がようやく開催。
これにて、プライスコレクション初お披露目となりました。
【メインイベント鳥獣花木図屏風】
出光美術館で「あの」若冲見れるらしいわ、と。
しかし直前まであまり情報を入れない様にしていて、
「本当にアメリカのロスアンゼルスにあったあの若冲かな?」
「あの絵の原寸大で精巧なレプリカのお披露目とかだったり?」
とか、なぜか信じられずフワフワした気持ちで会場入りしてしまった。
導入の花鳥画みつつ視界に入って来た屏風。
あーーーー!!!!
これはー!
長年、ぜひ見てみたいと思ってた若冲の鳥獣花木図屏風…
え、素材は?タイルとか印刷じゃないよね?
レプリカじゃないよね??
(キャプションを読む 素材 紙)
ほ、本物だー!現物だー!
とその場にへたり込みそうになってしまった。ここ数年で1番驚いたかもしれない。
わかってはいる。
有名な絵だが、やはり本物を見ると
(若冲…正気じゃねぇな)
と感じざるえない。
だってドット絵な訳で。手描きの。江戸時代ですよ?
いや、おかしい。
何でこんな描き方したの。
このマス目が4万個以上とい解説を読んだ時にイカれてんなー!と思った。
何でマス目書いた??(考察は解説にある)
向かって右の象の方ばかり有名だけれど左側の花鳥図も素晴らしい。
あ、九官鳥いる!七面鳥なんで正面?
もう見てて飽きない。
目が慣れるとどんどん動物たちが浮かび上がる。
他の展示も一通り見て閉館前10分。
誰も居なくなった鳥獣花木図屏風の前に戻りひたすら見続けた。
マス目、色、鳥の形、マス目色、動物の輪郭…と、ループする視線。
まずい、目が回って来た。
この後しばらくタイル地とか石畳の歩道とか、強化ガラスのマス目とかが全部若冲の鳥獣花木図屏風に見えてくる若冲ゲシュタルト崩壊状態に陥った。
夢中になって見過ぎた。
以下他の作品について。
【鶴まんじゅう】
もうね、鶴がね!可愛くて!
まるっと太い筆一筆でまんじゅうの様な丸が描かれそこにニョキっと首と足が。
これ描いてて気持ちよかっただろうなぁー!
しかしこの迷いのない線を描くにどれくらいの絵を描いてきたのだろうか。
まんじゅうの様な大福の様な、
ふっくらした鶴。
和菓子感を抑えられない。
【若冲の鳩】
はいきました!はとー!
梅の木と鳩の組み合わせ珍しい。
梅にはウグイスではなく梅に鳩。
しかもまったり座り状態。デッデーポッポーと聞こえてくるわ!
良いよ。わかる。
鳩、動かないし観察しやすかったのかなー。
【感慨深い】
しかしこの時代になって、鳥獣花木図屏風が日本に戻ってくるなんて。
ロスまで行かなくても良いのだ…
これは美術館に収蔵されず、プライスさんが個人蔵として大切に持っていてくれたから叶ったこと。一度どこかの公立美術館に収蔵された場合、まず収蔵品から外されることは無いわけで。
変な日本画があるもんだな、と若冲の名前を知り、色んなグッズになってるのも見て、色んな本やカタログでも見て20年経った。
肉眼で見れて幸せだ。
本当に本当に本物だった。