養殖猪肉の日

先日の豪雪から打って変わって、晴れ、雨、風と来たので、雪が急速に溶けてきた。営業していた和田山でたったひとつのかまくらも2日で廃業した。

建設から2日目の夕方でこんなことになってた。屋根が沈んでる。入り口の屋根がへっこんだところをツンツンしてみると、わさっと雪が落ちる。

屋根部分に乗ってスコップで解体作業に入る。もうダメになったら一気に溶けてなくなってほしいからね。スコップで5ツンくらいしたら屋根が崩れ落ちた。

楽しいのも束の間、まるで桜。儚いって良い言葉だよ。


雪解けになると、町も少々活気付いてくる。みんないつも通り出かけられるようになるから。

もう少ししたら畑の様子を確認しようかなと思っていたら、ハンターからコール。

「シシの心臓と肝」

「もちろん、いただきます」

ハンターによると、これは養殖したイノシシの肉らしい。イノシシ養殖してんのか。ハツは思っていたより小ぶり。水に浸けて血抜きしてくれているので臭みは少ない。でも、猪肉なのでどうせ焼いたら臭い。

肉を切るとき、ムネ、モモ、肝などは何とも思わないけど、心臓だけは少しばかり厳粛な気持ちになる。居酒屋などに行くと必ずハツを食べるけど、厨房では毎日動物の心臓を切っているのだろうか。厨房で働いたことがないからわからないけど、肉を仕入れるときはこの塊のまま来るのかな。そうでなかったとしても誰かが心臓に刃を入れているんだろうな。心臓だけは何か違うんだよなあ。

写真に写っているこの包丁は、母が40年前小学生の頃から使っているものらしい。刃がボロボロで非常に使いにくい。こんな包丁で普段どういうテクで肉や魚をさばいているのか不思議に思うが、ずっと同じものを使っていると逆に他のものが使いづらく感じるのだそうだ。この包丁は母の右手の延長で、体の一部のようだ。そのまんま鷲田清一の哲学。


肝。コンニャクみたいな触感。

養殖のイノシシ。味は如何に。

とりあえず塩コショーで焼きます。くっさ。

焼き加減はミディアムってところ?肝はゼリーみたいでちょうどよかった。ハツはまあ、俗にいうフツーに美味しい。

養殖と野生の違いはちょっとわからなかった。焼き加減によるかもしれないし、一概に言えない。まあそれほど劇的なさはなさそう。いくら養殖でも、やっぱりイノシシの臭みはある。

まだあるので興味があったら遊びにおいでください。鹿肉は常備してます。

今年は自分も狩猟免許取りたいな。

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