朗読小説『八日月の幻』発売開始☆朗読・伊吹まいなさん
拙著、短編小説『八日月の幻』が、声優の伊吹まいなさんによる朗読小説として発売開始しました。
本作は、同名の短編集『八日月の幻』に収録された4作品中、表題作の1作品をピックアップしたもの。ジャンルは青春・純文学。
朗読の担当は、声優事務所・INSPIONエージェンシー所属の声優、伊吹まいなさん。
男女年齢もさまざまな登場人物を、一人で演じ分けする技術の高さはもちろんですが、その演技が限りなく演劇に近い手法でかつ、朗読の枠を超えずにギリギリで収めているので、不自然な感じが無く、また心を揺さぶり、聞いていて思わず身を乗り出します。
この小説は三人称で書いており、つまり地の文で状況説明しているのですが、それが徐々に主人公の語りのように聞こえてきます。その部分は声優さんの”読み手”としてではなく、クリエイター根性のなせる技。
演技、技術などと書きましたが、加えてクリエイター根性と気力で、伊吹さんは演技を超越しています。声優さんってみんな、演技で嗚咽まじりの声で話すと同時に鼻水とかだせるの? 凄いんですけど……演技に圧倒されました。
伊吹さんの朗読を聞き終わった読後感、これは貴重な心の体験になると思います。
表紙イラストの担当は、短編集と同じ、モルトさん。
線の細い主人公ですが、肌の色や髪型、眉にアスリートの強さの片鱗を残しているようです。
柔らかい背景に浮かび上がるような、陽の光によるハイコントラストな人物と、手前の影になったコスモスが物語の符牒として、表現されているように見えます。
イラスト上に散りばめられたの一つ一つのアイテムに意味を込めて、深く、上品な仕上がりとするのは、モルトさんの作風かもしれませんね。
さて、編集者、声優さん、イラストレーターに恵まれた朗読作品『八日月の幻』。
その技術が、登場人物たちの想いに変化して、リスナーの皆様の心に必ず届くと思います。
ぜひ、お聴きください。