陰ミラー(最終話) ー義経東下り外伝ー
「有綱、何を考えているのですか?」
ふと気が付くと、静様の顔が目の前にあった。もう一度、静様が聞く。
「有綱の相手は誰だったのですか?」
「そのような話……」
「他の武家の子息に比べ、あなたは幸せです」
次の瞬間、私の唇は静様の唇でふさがれた。
「んぐっ……」
とっさに引き離そうとするが、静様は、私の両手をかいくぐって胸に抱きついた。
「元服の儀式の続きをここでなさい」
私は自分の鼓動が大きくなるのを感じていた。それを静様に悟られまいと身をよじったが、静様はなおも身体