Pianissimo
姉妹編の小詩集『春とピアノ』と『春と石仏』を一冊の紙本にまとめ、『Pianissimo』と題しました。
『春とピアノ』は、夭折した天才ピアニスト、ディック・ツワージクの音に誘われて、つい書き出したのが、だんだん詩的ドキュメントのようなものになっていきました。
ディック・ツワージクから始まって、それぞれに不遇であった他のピアニスト、ドド・マーマローサ、ユタ・ヒップへと思いは移っていき、かれらのピアニッシモな魂の音に耳を澄まして書き継いだ作品です。
執筆途中で東日本大震災が起きて、遠く離れた西日本の一隠者にも大きな衝撃を与えました。詩心は水浸しになり、詩の行方も失いかけましたが、どうにかジャズのアドリブの力を借りて復興しました。
表紙は同じくかれらの音楽に魅せられた音座マリカの素描(ディック)で、中にも数枚の簡素な線画が挿まれ、ピアニストたちを偲ばせます。
巻末にはディスコグラフィーを付けてあります。
どなたかがかれらの音楽に興味をもってくだされば、と作成しました。
『春と石仏』は『春とピアノ』の終わり近くのフレーズから始まった長詩です。東日本大震災の一週間後に訪れた北条石仏。その時は掌を合わせた羅漢ばかり巡って『羅漢合掌』というアルバムを編みました。その後、それまで書かなかったのか、書けなかったのか、あまり詩のテーマにしなかった石仏について、自然に言葉が出てきて、一連の作品となりました。
作者も年代も制作動機も不詳。
謎と不思議に佇むピアニッシモな群像。
散歩がてらに撮りためた写真の中から二十数枚を選んで、石仏は石仏として楽しんでもらえるように配置構成しました。
『Pianissimo』
紙本 BCCKS 10inch版 192P 2160円(税込)
https://bccks.jp/bcck/154148/
『春とピアノ』
電子本 Amazon ePub版 300円(税込)https://www.amazon.co.jp/dp/B00C4B68J0/
『春と石仏』
電子本 Amazon ePub版 300円(税込)
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『羅漢合掌』
電子本 Amazon ePub版 無料
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