休校中チャレンジ ~長唄三味線~ 3日目
今日で3日目、子供達も慣れてきて時間になると自分達からお稽古と言い出すようになりました。
息子は昨日も記事に書いたように、何度か舞台に出た経験があるのスムーズに進み今日で最後まで演奏できました。あとは細かなリズムと暗譜ですね。
娘の方はなかなか大変。動画を撮っていたから抑えたけど、そうじゃなかったら怒ってましたね。泣かしちゃってたかも。
自分の子供に対してのお稽古は、厳しくなってしましますね。
6歳の6月6日
芸事は、6歳の6月6日に始めると上達すると言われています。
この日は「楽器の日」、「邦楽の日」、「いけばなの日」など、お稽古の日と正式に定めています。
どうしてこの日から始めると良いと言われるのでしょうか。
世阿弥の書いた書、「風姿花伝(ふうしかでん)」の冒頭こうあります。
「この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」
(意訳)芸能においては、おおよそ七歳をむかえるとき初稽古とする。
その当時の7歳ですから、今の6歳ですね。
由来は世阿弥からだったのですね。
風姿花伝のこの冒頭の続きも、大変いいことを書いているので紹介だけしておきたいと思います。
風姿花伝
意訳)芸能においては、おおよそ七歳をむかえるとき初稽古とするのです。この頃の稽古は、子どもが自然にやり出した中に、生まれ持った美点が見つかるものです。舞いや働き(演者の所作)、また謡(うた)いは、たとえぎこちない動きでも、何気なくやり出したらそれを大切にして、まずはその子の心のままに、やりたいようにやらせてみること。こと細かに、これは良い、これは悪いと教えてはいけません。あまり厳しく注意すると、子どもはやる気を失い、おっくうになって、能そのものが止まってしまうでしょう。
さらに言えば、もっぱら基本動作以外はやらせてはいけません。込み入った物まねは、仮に出来ても教えるべきではないのです。ましてや大舞台の幕開けの能には、立たせてはいけません。子どもにふさわしい場面で、まずは得意な芸をやらせてみるのが良いでしょう。
また江戸時代になると歌舞伎にもこうした考えが広がり、「六歳の六月六日…」という六続きの言い回しが、歌舞伎の台詞として言われるようになり、いつの間にか「6歳6ヶ月の6月6日」という日が習い事始めにふさわしいと定着するようになりました。
こういう言い伝えがあるので息子もと思いましたが、6歳まで待てませんでした・・・。せめて6月6日だけはと思い、3歳の6月6日に初めてお稽古をしました。
3歳の6月6日 息子の初稽古
3歳では三味線が持てないので、まずは唄のお稽古から始めました。
お稽古したのは、「紙人形」。
「かんかん紙のお人形は こっそりあそびに行きました
そしたら雨がふってきて びっしょりぐっしょり ぬれました」
「おかぜをひいたお人形は おくすりいやだと飲みません
まんまも嫌だとたべません ほんとにこまった 紙人形」
小さな子供が唄うと、とても可愛らしいんです。
日本舞踊でも、小さなお子さんが踊るのが定番です。
私も5歳の時、この曲で弟と初舞台を踏みました。
初めてのお稽古、まずはお辞儀の仕方から。(タイトルの写真はその時のものです。小さくてかわいい。)
お稽古は、礼に始まり礼に終わる。
これが大事なんです。
お稽古事は技術を学ぶだけではなく、礼儀作法を身に着ける事が何より重んじられます。このあたりの話は、また別の機会にしたいと思います。
まだ指吸をしていた息子。
3歳児ですから、なかなか思うようにお稽古してくれないものです。
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次世代への継承という意味だけでなく、お稽古を通しての子育て、父と子の時間。私の想いなどをお伝えし、感じて頂ければ幸いです。またアナログな長唄の世界、ネット配信など新たな試みに挑戦し、長唄の魅力を広めていきたいと考えています。宜しくお願い致します。