休校中チャレンジ~長唄三味線~5日目
4月13日から始めた休校中チャレンジ~長唄三味線~。
土日はお休みするので、今日で最初の1週間が終わりました。
今日のチャレンジの事は、また動画とともに後半で書かせて頂きます。
このチャレンジ中は、子供達がこれまで経験をしてきた舞台に焦点を当て、
私なりの長唄を通じての「子育て回顧録」も記事にしていきたいと思います。
息子 初めての大舞台
1991年に杵屋禄山を名乗り名取となって23年。
2014年11月に、父で師匠である二代目 杵屋勝禄の前名「杵屋禄宣」を二代目として襲名しました。その襲名披露を、父が主宰する「禄生会」でさせて頂きました。場所は京都の祇園甲部歌舞練場。この襲名の事は、また別の機会で書ければと思います。
名取とは、芸道で一定の技能を修得し、家元・師匠から芸名を許されること。また、その人。
父(勝禄師匠)のゆかた会ではつつがなく唄えた息子でしたが、次の関所はこの私の襲名披露演奏会です。4歳になったばかりの息子も出演する事になりました。3か月前に初舞台を経験したお弟子さんや身内だけでこじんまりと開催しているゆかた会と違い、今回の舞台は祇園甲部歌舞練場。
曲はゆかた会と同じ「紙人形」ですが、ゆかた会の時より精度をあげたい。ゆかた会では客席もアットホームな雰囲気でしたが、劇場となるとその広さや大勢の方々の視線に息子が臆してしまわないか?インフルエンザも流行っている時期、果たして体調を崩さす本番に立てるのか?など、課題や心配事が積み重なっています。
しかし、やれる事はお稽古のみ。どんな不安や心配事も、結局お稽古をする事でしか乗り越えられないのです。
息子は素直で温厚な性格なのでお稽古を拒否したという記憶はないのですが、それでも上手くいかない箇所についつい声を荒げてしまい、何度も泣かせてしまいました。褒めたり怒ったり、なだめたりすかしたり。思えば私達は長唄によって、濃厚な親子の時間を過ごせていました。
この記事のトップにある着物の写真は、この時のために作ったものです。
今年息子は9歳になりましたが、今年のお正月にもこの着物を着ておりました。
そして迎えた本番。
幕が開いた瞬間、大勢の人が自分を見ていることに息子が驚いたのが、後から見たビデオにはっきり映っていました。明らかにハッとした顔をして、ここから潰れずに無事唄い出した事は、今となっては驚きです。歌詞の「こっそり遊びにいきましたぁ~」を、緊張のあまり力いっぱい唄い、体が少し乗り出し程でした。
唄は息子1人で、三味線は父と私で演奏し、親子3代の共演が実現しました。本番中、父も孫の事が気になってる様子でしたが、その顔はとても嬉しそうでした。
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次世代への継承という意味だけでなく、お稽古を通しての子育て、父と子の時間。私の想いなどをお伝えし、感じて頂ければ幸いです。またアナログな長唄の世界、ネット配信など新たな試みに挑戦し、長唄の魅力を広めていきたいと考えています。宜しくお願い致します。