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なぜロールケーキ天板が歪むのか

ロールケーキ用の天板が
ベコン!とオーブンの中で斜めに歪む

そんな現象になったことはありますか?


私はないんですけどね
一定数いらっしゃるみたいです

それはどうしてなのか科学的に解説と(今日は物理)
それについての対応策を教えていきたいと思います


まず
どうして歪むのか

ここについて説明します

今回使う天板
「アルタイト天板(アルスター)」
こちらは鉄にアルミを加工したものになっています

この加工した金属などには
「残留応力」といって

いわば
「テンパリングしていないチョコレート」のようなものが存在します

ただ溶かしただけでは不安定
膨張したり収縮したり
とても不安定だよ

というのが

「残留応力」


これをまず覚えてください


チョコレートも溶かしただけでは不安定なので
テンパリングをして強度を高めたり
口溶けをよくしたりしますよね

それと同じで金属加工も
お菓子業界でいう「テンパリング」と同じ作業をします


その名前が

「アニール」

熱を加えることによって残留応力を取り除き安定させ
歪み、変形を防ぐための熱処理のことをいいます

こうすることで

・天板が歪まない
・変形しない

そんな加工が施されているんですね〜



「え、じゃあ私の天板歪むってことは
きちんとアニールされてないってこと!?」

「私はハズレを引いたってこと〜〜!!?」

と思ったそこのあなた
ちょっと待ってください

実はそれ、加工のミスでもなんでもなく
もしかして自分のせい、だったらどうしますか?

「ん?どういうこと?」

頭が混乱してきたかと思いますが
わかりやす〜〜〜く解説するので
もう少しお付き合いください

少しの改善で天板の歪みを起こさせない方法
これを話しますね



まず変形する理由のひとつに

・外側からの急激な加熱

というのがあります


冒頭にも話したアルタイトですが
鉄にアルミ加工されたもの
つまりは2種類の金属で作られています

そう、2種類の金属、、、

ホワイトチョコと
ブラックチョコ

この2つの同じチョコレートでも
テンパリングの温度が違うのわかりますか?

そんな異なるもの同士がくっついた状態なので
なかなかの不安定なんですね


熱伝導率で調べると

鉄 83.5
アルミ 236

と全然違います

異なった金属が同時に熱を帯びると
膨らみ方が違うのが数字でもわかると思います


じゃあ一体どうしろと、、、
そう思うかもしれません

大丈夫答えは意外と簡単なんです

それは


「オーブンの予熱をこれでもかってくらい熱々にすること!!」

これです

「え、そんなことで?」と思うかもしれませんが
明確な理由を話しますね


アルタイトさんは外側から急激に熱されると変形します
そうまるで予熱がまだ完了していない
猛烈にオーブンが回っている状態

ウィーーーーーン、とか
ブゥーーーーーン、とか

オーブン「私、今、頑張ってますよぉぉぉぉ」

そんな時に
アルタイトの天板を入れると

「あっつ!無理無理!形変わるって〜〜!」

それでベコン!と一気に変形しちゃうんですね



結構みなさん知らない方が多いのですが
オーブンの予熱完了って
実際のところ設定温度より50℃以上低いです

よかったら庫内温度計で計ってみてください


なので本当の予熱とは

「予熱完了から10分以上空焼きする」
「庫内温度計で正確に計る」

これが予熱です


オーブンが予熱完了!ピピッ!って鳴っても信用しないこと
実際に温度計入れたら50℃も低いとか
普通によくあることです

そんなときは
「嘘つき!」と言って
10分くらい追加で空焼きさせてください

そうしたらちゃんと予熱完了です


そこでやっとアルタイト天板も使えます

「ちゃんとあったまってる〜〜〜」
「これなら変形しない〜〜」

そんな声が聞こえてきそうですね(幻聴)


しっかり予熱をすることで
オーブンも出力を落として温度維持にモードが変わります
加熱モードから維持モードに変えてあげましょう

そうることで直接の熱が減って
均一に熱があたるようになりますよ


予熱が不十分だと
急激な温度上昇で変形するので


十分すぎるでしょ〜〜〜!!

それくらい予熱するのが解決策でございました



あとお金に余裕がある方は
天板を2枚重ねにするのがいいですね

実際ケーキ屋さんは天板2枚重ねで焼いているところが多いです
そうしたほうがもちろん歪みにくいし
ロールケーキの生地もふわふわに仕上がるんですよね

ロールケーキばっかり焼く!
そんな方は先行投資で買っておいてもいいかもしれません
きっといつもよりふわふわの美味しい生地が焼けます



まとめ

ロールケーキ天板(アルタイト)を変形させないためには

・予熱完了から10分以上空焼きすること
・庫内温度計を使用し予熱に誤差を生じさせないこと
・天板2枚重ねで使用すること


よかったら試してみてくださいね!








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